農家が得する
税金コーナー
（26）

年金と米作り

　米価は40年前と同じ水準、経費は毎年上がっています。しかし米作りの8割以上を担う兼業農家の多くは、赤字でも先祖代々の田んぼを荒らさないようにとがんばって米を作り続けています。所得税法では、農業の赤字を他の所得と損益通算できると規定しています。この赤字を申告するのとしないのとでは、大違いです。

　過去の確定申告の事例にしたがってみていきましょう。

　年金と米作り兼業農家のＡさん（奈良市）。以前は役場申告で、農業の赤字は申告しなくても良いといわれ、申告してきませんでした。しかし、農民連の相談会に参加し、損益通算できることを知り、やってみると年金から天引きされていた所得税が戻り、市町村民税も安くなりました。

　また、合計所得金額が33万円以下となったために、国保税の均等割・平等割が7割も軽減。介護保険料も軽減され、所得税・住民税・国保税・介護保険料の合計で約28万円も節税できました。

　さらに合計所得が38万円以下なので息子の扶養にもなることができ、息子さんも還付が受けられました。

　家族じゅうで見直すことで、大きな節税となりました。