「農民」記事データベース20180129-1296-08

ふるさと
よもやま話

兵庫県農民連会長 芦田淺巳


わが集落の“よもやま”は―

稲は自由に作られへん?
村おこし元旦登山取り組み
組合員目線が試される農協

 1、どうなる
 今年の作付け

 昨年末、農会長会議が行われ、各集落の農会長から「平成30年度作物作付計画書」が農家に配布され、1月31日までに提出するような運びとなっています。その際、「丹波市地域農業再生協議会」から「平成30年度の水稲生産目安」が各農家に示されました。それには「需要量調査」の結果、昨年度から9・8%上乗せして目安の設定をしたと説明しています。

 あわせて、「経営所得安定対策」については、米に対する助成は廃止するが、転作に対する助成は、「水田活用の直接支払交付金」「産地交付金」とも継続すると記しています。

 さて、農家の受け止めはどうか。

 (1)稲は自由に作られへんのか。

 (2)中山間地で米しか作れん田んぼではどうするんや。

 (3)米の値段がこう安くては、気合が入らん。

 (4)保有米だけはたしなみで作るで、あとは誰かに頼むわあ(等々)

 2、農協の総代
 決定の取り組みも

 総代会は農協の最大の決定機関です。その総代の選出時期を迎えています。農協の「自己改革」路線が組合員目線かどうか、試されるところです。会員には総代会で発言できるように、積極的に集落での総代に立候補するように呼びかけています。

 3、正論・談論

 トランプ政権はあまりに恥ずかしい(地球温暖化・北朝鮮・エルサレム等)。

 安倍政権の「ポチ」ぶりはもっと恥ずかしい。

 憲法を本気で変えるつもりや。

 百姓のことは全然考えとらん(田・山の役割)。

 4、土地改良事業に難癖

 「経営体育成型基盤整備事業」でパイプラインと暗渠(あんきょ)排水に取り組むことになっていますが、県土地改良事業団体連合会(県土連)からいくつかのハードルを勝手に押しつけてきています。

 (1)現在の整備田を大規格に(3反→1町規格)にせよ。

 (2)小麦・大豆以外の付加価値の高い作物を作れ。

 「中山間地で、勾配(こうばい)がある中でとてもできない」と集落と一緒になって、県の出先も協力をしてくれていますが、なかなか土地改良に突っ込む金で投資分を確保できるようにはいかないものです。日本の農業のイロハも知らない官僚の考えることは、大平野での農業と米国やオーストラリアばりの対抗意識しかない。これではTTPやEPAに走るはずで未来はない。

 5、元旦登山に向けての取り組みから

 集落では、正月行事以外では、事始め・お日待講・願祭等目白押しです。ひと昔前のお日待講では、神主を迎えての夜明けの日の出まで、新年の農作物の出来具合を祈願する行事でした。

 昨年の10月に台風18号の被害で「くつお山登山道」が荒れていました。12月17日に元旦登山に向けて、登山道の補修・改修・倒木伐採等、重機も使いながら、村の日役で半日かけて行いました。

画像
元旦登山で

 当日は日の出時刻が午前7時6分だったので、5時半、ふもとの「胎蔵寺」を出発しました。総勢35人、最年長者は75歳、若手は小学2年生でした。

 私は、集合地点での明かりと暖取りのため薪をくべての火の番役です。もっとも登りより下りが不安定な膝をかばった揚げ句です。

 ともあれ、立派なご来光で参加者は新年の年明けを満喫しました。

(新聞「農民」2018.1.29付)
ライン

2018年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2018, 農民運動全国連合会