「農民」記事データベース20180115-1294-09

旬の味


 先月は近年珍しい程の寒さが続き、積雪も北海道東部では多めで30センチほど。クリスマスに大雨が降り雪に覆われていた畑もほぼ裸の状態だ。畑の凍結が進み春の放牧開始の遅れが心配。当地では1月中旬からが寒さも雪も本番▼今年、45年続けてきた酪農経営を息子に移譲した。さすがに若いときには考えられなかった身体の痛みがあちこちに出てきて年齢には勝てないなと実感する▼北海道の酪農は「加工原料乳不足払い法」の制定以後急速に発展し、わが町も例外でない。それを支えてきた酪農家が引退の時期となり廃業する農家が増えている。一方でTPP、日欧EPA等への対策として打ちだされる政策は規模拡大する農家へ補助金を出すというもの。建設費の高騰の下では農家負担は億単位。このため中堅農家の廃業が後を絶たない▼一方、国の旗振りとは違う方向で酪農を楽しんでいる農民も増えている。「規模拡大」「生産性向上」に惑わされずに自然の力に生かされる農はいつまでも続けられる強さがある。

(イ)

(新聞「農民」2018.1.15付)
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2018年1月

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