「農民」記事データベース20171218-1292-08

地域の話題
あれこれ

奈良
森本吉秀


異常気象で災害つづき
でも収穫祭には笑顔が

 寒さも厳しくなり、もう師走。自然相手にものづくりをする百姓にとって今年はあまりにも「観測史上初」が多すぎる。10月下旬の2週連続の台風や長雨。師走というのに奈良盆地にはコンバインが入らず、稲刈りできない異常な風景が広がる。

 私の集落でも耕地災害が20カ所ほど発生したが、災害復旧事業に採択されるのは1件だけ。しかも「約800万円の事業費のうち上限500万円で、残り300万円は地主負担」の報告に、「それ何やねん」と役員一同絶句。地主も「重機借りて自分でやります」との発言に役員会も頭を抱える。

 毎年11月はあふれかえる小松菜などの軟弱野菜も台風で多くのハウスが水没して学校給食などへの供給もてんやわんやの産直センターである。

 しかし、自然相手の農業を続けてきた農民はたくましく、各地で収穫祭や農産物の品評会が開催されている。明日香村でも約500点近い農家自慢の野菜や果樹などの「農林産物品評会」が11月19日に石舞台公園で開催された。

 新規就農者も米や野菜を出品し、「入賞して賞金もらいました」とにこやかな笑顔。収穫までの苦労への何よりの報酬である。若い百姓の元気な姿で村の農業は明るいように見えるが、ほとんどの集落から「若い百姓するものがおらんかな」の声しきり。

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農産物の品評会

 今年は収穫祭や稲刈り体験などの交流イベントなどもことごとく中止に追い込まれたが、新日本婦人の会のみなさんとの大豆トラストや「学校給食考える会」のしめ縄づくりは好天にめぐまれ安ど。自分たちで育てたお米の稲わらでのしめ縄づくりに子どもたちも大はしゃぎ。「早く来い来いお正月…」

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「早く来い来いお正月」としめ縄づくり

 残り2週間、江戸時代の高取藩のお城で使われていた農民連事務所常駐の「五升臼」も今年最後の直売所や朝市での餅つきイベントに大忙しである。

(新聞「農民」2017.12.18付)
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2017年12月

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