価格競争に走る中食・外食業界も
業務用米不足、米価3年連続値上げ、コンビニのおにぎりが値上げなどと、新聞、テレビなどで話題となっています。この間、米は過剰で安くなるのが当たり前とばかりに価格競争に走ってきた中食や外食の業界。今年の米で何が起きているのでしょうか。
次々と価格の改定へ
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米、おにぎりの値上げを報道する各紙 |
このため各地で激しい米集荷の競争が展開され、価格も引き上げられ、農協系統も概算金の再値上げなどを決めています。中でも外食向けなどの低価格米が不足し、価格が15%前後も高騰し、コシヒカリなどの銘柄米と大差がなくなっています。
農水省の相対価格調査では前年比で全銘柄平均8・3%高、1万4353円(60キロ・税別)です。農家に支払われる農協などの概算金も前年比8%、1000円前後引き上げられ、全国全銘柄平均で1万2936円(農民連調査)程度です。
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値上げしたローソンのおにぎり |
家庭用の米も新米切り替えに合わせて米価が改定され、価格は千差万別ですが、相対取引価格から推計して平均的な価格は1キロ400円前後。お茶わん1杯にしてわずか26円程度。これが高いか、安いか大いに議論が必要です。
来年から国が需給調整から完全に手を引き、生産調整への参加メリットの直接交付金7500円(10アール)も廃止されます。生産調整は完全に生産者(団体)任せ、市場任せにされようとしています。
仮に再び米価が暴落する事態にでもなれば米作りから撤退する農家が続出することになりかねません。
わずかな作柄の変化で米価が急激に上昇し、価格の転嫁に卸・小売業者が苦しむ――米価暴落で生産者が苦しみ、国民の主食の安定供給を危うくする安倍自公政権の米政策が厳しく問われています。
共通して出されるのは「米は国産で」「国の責任で需給と価格の安定を」「生産費を補償する岩盤の対策」を求める声です。この声を大きく広げ米政策の転換をはかりましょう。
11月29日の輸入米入札では2万2500トンの輸入枠に2倍近い申し込みが殺到。アメリカ産中粒種などが100円前後(1キロ)の関税相当分を払って210円(同)程度で落札しています。
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吉野家の牛丼 |
牛丼の吉野家がアメリカ産米を、グルメ杵屋がアメリカ、オーストラリア産米の使用を公表しています。今後外食などで輸入米が出回ることになります。
[2017年12月]
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