さいたま市の「米工房ひろおか」
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埼玉 松本慎一
20年ぶりに米産直を再開
農家との交流が産直の強み
8月20日に行われた「米屋さんと生産者をつなぐ交流会・東京会場」(農民連ふるさとネットワーク主催)で20年ぶりに参加した、さいたま市のお米屋さん「米工房ひろおか」と米産直を再開することができました。
産直の多様化のなかで立ち消え
20年前の食管制度の廃止、WTO(世界貿易機関)協定の発効など米、食糧をめぐる環境が大きく変化するなか、埼玉一の米どころの北埼地方の農民と浦和市(当時)の「米工房ひろおか」が「日本農業再建、安心・安全な食べものを守ろう」と米の産直が始まりました。
当時の米屋さんは、地元においしい米があることは知っていたものの、生産農民との交流がなかったため、販売直後は「埼玉の米がこんなにうまいとは知らなかった」と好評で、埼玉の米の価値を見直すきっかけになりました。
しかし、米屋さんとの産直は数年続いたものの、産直の多様化のなかで立ち消えとなっていました。
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「米工房ひろおか」の店頭 |
農家も小売りも困難抱えながら
そういうなか、8月の交流会で「米工房ひろおか」の広岡昭一社長と20年ぶりに再会し、「安倍農政のもと、生産者も小売店も困難を抱えている。この状況を打開するためにも改めて米産直に取り組もう」と合意しました。
10月8日には、新米の特別栽培米コシヒカリを5キロ、2キロ袋に詰め、試食品を出しながらお客さんに対応したところ、販売目標を大きく超えて販売することができました。
近く生産地を訪問することに
一昨年から経営に加わった長男夫婦の耕平さん(31)、茜さん(31)は、「産直は農家との交流ができるのが強みです。農家のくらしを知って販売するのとしないのでは力の入れ具合が違ってきます」と、来月にも生産地を訪問することになっています。
また、お店のマスコットがわりにレジの前の水槽に旧大利根町の用水でとれた川ガニ(モズクガニ)夫婦がお客さんを迎えています。
(新聞「農民」2017.11.13付)
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