台風21号被害
大阪農業に多大な被害
倉庫やハウス壊れた
野菜・ぶどう収穫不能
10月21、22の両日に日本列島を縦断した台風21号は、大阪の農業に多大な被害をもたらしました。
北摂支部では、豊中、吹田、池田、箕面の各市、能勢町などの農民連会員に被害状況を問い合わせました。能勢地域では強風により、「倉庫、ビニールハウスが壊れた」「農小屋が屋根ごと倒壊」「ハウスが破れた」「イノシシよけの柵が倒れた」などの被害が特徴的でした。
また、吹田など市中の平野部では「キャベツ、ネギ、ブロッコリー、白菜などがだめになった」「ネギが折れ曲がり、他の野菜の収穫もできなくなった」などの状況が報告されました。
大阪産直センターでは、産直出荷している会員さんを訪問したほか、電話で状況を聞きました。柏原市のぶどう畑では台風前からの長雨が重なり、市内南東部で土砂崩れ、浸水など特に被害が大きくなっています。
Nさんの園では土砂が崩れ唯一の農道が寸断されました。ぶどうの3分の2が収穫不能に。ハウスの支柱や柵が倒壊し、畑も地すべりが発生しました。Nさんは、「このままでは来年のぶどうの出荷もままならないし、元通りにするには数百万円かかりそうだ」と不安を語っています。
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ハウスの支柱が折れ、ビニールが飛ばされました(柏原市) |
種まきできず冬野菜が心配
来年以降米作りできるか不安
堺市では、何人もの生産者の畑に浸水しました。Aさんは、「軟弱野菜の畑がジュクジュクで種がまけず、冬野菜が心配」と不安を募らせています。河南町では、田んぼに水がたまり、稲刈りが止まり、刈り遅れが心配されています。Sさんのところでは、畑の土手が崩れ、いちじくの木が倒れました。さらに「田んぼに砂が入り込み来年以降、米作ができなくなるかも。米作りも縮小する方向だ」と元気なく語っています。同町の山間部では土砂崩れ、浸水で道路が寸断、農作業ができない状態、また自宅前まで土砂が崩れてきている会員もいます。
阪南地域では、ハウスに水が入る被害が多数出ました。また畑地面から水が染み出してくるハウスもあります。白菜やブロッコリーなど生育不良が甚だしく、作物に泥が付着する状態になっています。
(新聞「農民」2017.11.13付)
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