「農民」記事データベース20171106-1286-06

九州北部豪雨

被災のネギ農家を訪ねて

福岡・若宮農民組合 藤嶋嘉子


土砂の撤去してほしい

これからが不安大きい
何も手が付けられぬ

 今年7月の九州北部豪雨災害の被災地、福岡県朝倉市志波地区の農家を、10月23日、市民団体などで運営する共同ボランティアセンター(福岡県農民センターも加盟)の大島慶太さんと訪問し、要望の聞き取りを行いました。

 融資返済したばかり

 あるネギ農家は、「どうすれば良いかわからない…」「先のことが考えられない…」と、案ずる通りのお答えでした。

 万能ネギを栽培する高さ3〜4メートルのビニールハウス11棟は土砂に埋没したまま。ネギの集荷場も全壊。実家も、実家と庭続きにある倉庫も土砂で全壊し、実家から母親を引き取っています。倉庫に設置していた、「約1000万円近くもして、スーパーL資金融資の返済がやっと終わったばかりだった」というネギの皮むき洗浄機も全壊しました。

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共同ボランティアセンターの人たちが泥出し作業

 借りて営農つなぐ

 現在は、災害にあわなかった地域にあるハウス39棟でネギ栽培を続けており、同じく被災し、廃業を決めた知り合いから、集荷施設とネギ皮むき洗浄機を借りて、営農をつないでいるそうです。

 そのネギ農家は、一番に要望することとして土砂の撤去をあげ、「土砂の流出による二次災害の不安が大きい。土砂を取り除かないと何も手が付けられないし、どうすることもできない」と言います。

 今後の復興を朝倉市に相談しているが市からの回答はなく、「自分たちでやってくれ」という態度だそうです。

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私が立っている所は5棟のネギハウスがあったが丸ごと埋もれ屋根すら見えない

 土地を借りてまでは

 「ハウスを建て直したいが、元の場所はまた水没するかと思うと建てられない。違う場所でも良いと聞いたが、土地を借りてまで建て直すかわからない。まったく何をどうして良いのかわからない…」と、苦悩を話してくれました。

 営農への不安も感じましたが、復興の計画が知らされない事への不安を大きく感じました。

(新聞「農民」2017.11.6付)
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2017年11月

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