「農民」記事データベース20171106-1286-01

総選挙

市民と野党の共闘
勝利に貢献

農民連

 10月22日に投開票された衆議院選挙で、農民連は全国で、市民と野党の共闘を追求してたたかい、その前進に貢献してきました。野党共闘の効果を発揮した新潟県、北海道、沖縄県からのリポートを紹介します。


新潟

共闘の力を実感

さらなる共同を前進させ勝利を

 米や原発再稼働が重大争点の総選挙で、新潟県は野党が4勝2敗となり、5区でもう一歩のところまで自民党候補に迫りました。

 新潟では、昨年の参議院選挙、新潟県知事選挙で市民と野党統一候補が勝利し、「新潟ショック」といわれてきたなかでの総選挙となりました。県内6つある小選挙区では、5つの区で市民と野党統一の候補を擁立。開票最終盤でも最後まで激戦となるたたかいでした。

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野党統一候補を応援する自由党の森ゆう子参院議員(右)と日本共産党の小池晃書記局長(左から2人目)

 県農民連としても、農民連本部の湯川喜朗さんを講師に招いて各地域で小集会を開催。農繁期の最中ではありましたが、多くの農家の関心は平成30年からの減反問題であり、「企業の利益を追求した今の安倍農政では、後継者が育たないどころか農村が崩壊する。日本農業新聞の農政モニター調査でも、その怒りが表れている」ことを訴え、農民連の号外を活用しながら周りの農家にも働きかけようと行動してきました。

 結果的に全区での勝利には結びつきませんでしたが、県内では弁護士や研究者、ママの会などが代表を務める「市民連合@新潟」の役割は大変大きく、選挙を重ねるたびに発展してきていると感じています。

 更なる市民と野党の共同を前進させ、農政の転換、再来年の参議院選挙でも勝利を目指して奮闘していきたいと思います。

(新潟県農民連事務局長 鈴木亮)


沖縄

3選挙区の勝利で

6度目の新基地ノーの民意

 衆議院選挙では、辺野古新基地建設反対、普天間基地の閉鎖・撤去、建白書の実現をめざすオール沖縄4候補が、1区、2区、3区で当選しました。4区では残念ながら惜敗しましたが、建白書実現、新基地建設反対の民意が3つの区で勝利したことではっきりと示されました。

 3年前の名護市長選挙から今回で6度、沖縄県民は民意を突きつけたことになります。沖縄県民の民意を踏みにじる安倍政権の暴挙を許してはなりません。

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翁長雄志・沖縄県知事(右から2人目)、共産党の志位和夫委員長(左)らが統一候補の支援にかけつけました

 10月11日に東村高江の民有地の牧草地に米海兵隊普天間基地所属の大型輸送ヘリCH53Eが不時着、炎上、大破する事故が民家からわずか300メートルの場所で起きました。

 しかし、日米地位協定で現場や事故機を調べるには米軍の同意が必要なため、県警が現場検証もできない状況です。

 県議会は16日、ヘリパッドの使用禁止、民間地や水源地上空の米軍機の飛行訓練の中止を求める抗議決議を全会一致で可決しました。

 1972年の本土復帰から2016年までに、米軍機関連の事故が709件に達しています。沖縄県警が民有地で事故が起きても現場検証もできない屈辱的な日米地位協定の抜本的改正が早急に必要です。

(沖縄県農民連会長 中村康範)


北海道

全選挙区で野党共闘実現

ガマンの限界
農村で大きな変化

 農政問題などが重大争点の衆議院選挙では、北海道の全ての小選挙区で、立憲民主、共産、社民、市民ネットによる野党共闘が実現し、5選挙区で勝利し、あと一歩まで追い詰めた選挙区もあります。共産党の議席がなくなったことは残念ですが、5議席しかなかった立憲野党の議席が8に増えたことは、大きな前進でした。

 なぜ北海道の全区で野党共闘が実現できたのか。それは、戦争法廃止や共謀罪法に反対する運動や街頭宣伝を行う場合、各党に呼びかけて、各代表が参加し、訴え続けたことにあります。

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全選挙区で野党共闘が実現しました=10月5日

 その仲立ちとなった「戦争させない市民の風」が呼びかけて各選挙区で「1区の会」とか「〇〇住民の会」などが作られ、野党と共同の運動を進めてきました。

 しかし、一緒に取り組んできた候補者が希望の党に寝返るなどによるゴタゴタもありましたが、札幌市議会の会派「市民ネット」を含めて、統一候補の支援に全力をあげることを確認し合いました。

 青年たちは毎日中心街で宣伝し、「お帰りなさい」宣伝や電話かけを手伝うなど、できる限りの活動を進めました。

 また、市民の風共同代表の前札幌市長の上田文雄さんは、共産党の宣伝カーから「期日前投票で私は、比例では共産党に入れてきた。全ての選挙区野党候補への支援を。比例は共産党へ」と訴えました。

 農村部でも「ずっと自民党に入れてきた」という農協の役員や地方議員の経験者からも「もう安倍農政ではがまんの限界だ。今度は野党に入れる」などの声が寄せられました。

(北海道農民連書記長 野呂光夫)

(新聞「農民」2017.11.6付)
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2017年11月

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