「農民」記事データベース20171030-1285-09

体験農園開設して6年

東京農民連会長 小寺理一
〈手記〉

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市民参加の新しい農業形態
新振興計画への明記は画期的

家族的雰囲気で野菜づくり

 清瀬市で体験農園を開設して6年になります。最初は8人の生徒さんで始まりました。まったく家族的雰囲気でお互いに楽しさばかりが先行し、野菜づくりといっても家族的な農業の延長線上で、作業の苦しさも笑いで一蹴され、これで野菜が本当につくれるのかと心配になるほどでした。

 熱のこもった討論して工夫

 最初はこんなものかと流れに任せての1年でした。新しい年に変わって2年目に入り、新しい生徒さんを迎えるにはどうしたらいいのか、募集方法が真剣に討議され、宣伝方法もどうすれば効果的かと熱のこもった討論がされました。

 園主として、「体験農園はこれからの都市農業経営のなかで、市民参加の新しい農業形態として絶対に成功させなければならない。第2、第3の農業体験農園の仲間づくりが焦眉の課題だ」との思いがあり、2年目には30人規模を夢見ていました。

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新婦人のと交流会で説明する小寺さん(左)=7月22日

 多くの困難克服社会的に認知

 農業体験農園は今から20年も前に東京都練馬区で誕生してから多くの困難を克服して社会的に認知され、今日では全国の広範囲にわたって展開されています。

 特に今年度から東京都で、「新東京農業振興プラン」が作成され、同様に各自治体でも作成されています。清瀬市でも「第3次農業振興計画」が作成されました。その重点施策の一つ、「ふれあい農業の推進」のなかに、職場体験の受け入れの充実や市民農園、体験農園、つみ取り農園など、各世代に向けた農業体験の場の提供等、農業と触れ合う機会の創出が盛り込まれています。

 都市農業に光明を感じる

 相続税・固定資産税の負担、高齢化、後継者難等、都市農業が存亡の危機に見舞われているときに、20年前に生まれた農業体験農園が、新東京農業プラン、各自治体の農業振興計画のなかに明記されたことは画期的なことであり、都市農業に一寸の光明を感じています。


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愛知・津島市 桜井久美子

(新聞「農民」2017.10.30付)
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2017年10月

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