「農民」記事データベース20171023-1284-12

旬の味


 吹く風、虫の音、そして草木の彩りにと、“秋”が感じられる季節になった。夜明けもずい分遅く、朝夕は寒ささえ急に感じるようになった▼つい先日まで一面緑の田は黄金の稲穂を垂れ、収穫のときを待っている。軒下には“てるてる坊主”も姿をみせた。開けた窓から見える草木は露にぬれ、光っている。この時期、草木に降りた露を昔の人は「白露」と言ったというが、なんとも情緒豊かなものだ▼日本を巡る季節の大切さ、素晴らしさを改めて感じながら田に出かける準備をする。秋は「ありがとう、これからもまたよろしくネ!!」と思わせる季節。いつまでも大切に……と思うが、昨今の情勢のなかでは、不安は大きく広がる。しっかりと自分の目で見、聞き、考え、行動しよう▼かつて「お国のために」の一言で失われた多くの尊い命。誰も望みはしない「戦争」という過ちは絶対に繰り返してはならない。このことをもっと深刻に考えようと思う。「白露」に触れた手の“大きな力”を生かそう、この秋に……。

(え)

(新聞「農民」2017.10.23付)
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2017年10月

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