「農民」記事データベース20171009-1282-10

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上原 実


無農薬栽培に挑戦する
タイ青年も農民連会員に

 ジャックさん(本名トーンチム・パトンタット)=34歳=は昨年から日本に移住し本格的に農業に取り組み始めました。現在、京都府和束町の植田修さん(農民連青年部前部長)のところで、農の雇用事業の支援を受けて、お茶と米作りの研修に励んでいます。

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ジャックさん

 彼は、もともとタイのゴム農園を営んでいて、ゴム農家でした。また、他にもタイのボランティア団体のスタッフとしての勤務経験もあります。植田さんがタイを訪れた際に、ボランティアプログラムを通じて知り合いました。

 それ以後、5年前からお茶の農繁期には和束町を訪れ収穫作業を手伝うようになりました。

 そんな中、ボランティア活動で知り合い結婚した日本人の奥さんと話し合い、「子どもを育てるには日本がいい」と、移住を決断しました。現在は、植田さんの茶園を手伝いながら、水田40アールと茶園を自ら耕作しています。

 彼は以前からパーマカルチャー(永続する農業・永続する文化)に関心があり、自然農法の故福岡正信氏の情報などを持っていました。そんなことから植田さんが作っていた田んぼを引き受けて稲の無農薬栽培を始めたのです。

 植田さんも田んぼは一切口出ししません。ジャックさんも稲作りは素人です。インターネットの情報や周りの農家のやり方を見ながら勉強、無農薬栽培への挑戦です。もちろん田植え機もありませんから全て手植え。苗は一本植えです。見かねた周りの農家が古い歩行用田植え機を譲ってくれました。しかし、除草作業も大変です。昔の田打ち車を押して、除草作業。それでも残ったものは手で除草です。

 収穫直前の彼の田んぼは雑草もほとんどなく、穂がたわわに垂れ下がっていました。聞くと彼は、田んぼで働くのがとても好きだといいます。「来年はボカシ堆肥作りにも挑戦したい」と意欲を燃やしています。

 植田さんいわく「彼は地域でとても有名人です。周りが彼に注目している」。作れなくなった田んぼが彼のところに集まり始めています。

 米の売り先を思案していたとき、植田さんが「農民連に出荷したら」と声をかけ、早速、農民連に入って米作りもがんばろうということになりました。今後の農業経営をどうするのか聞くと「お茶と米作りの二本立てでいきたい」と決意を語っていました。今後の活躍が期待されます。

(新聞「農民」2017.10.9付)
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2017年10月

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