「農民」記事データベース20171002-1281-09

連日の雨と日照不足続きで

葉物の生育の遅れ深刻


“通常の6割出ればいい…”
ブロッコリー農家

 長野県の野菜生産地

 9月に入り、「やっと普通の生育に近くなった」と安どの顔をみせる農家が多くなりました。

 長野県では梅雨明けまでは、晴天高温が続き、農作物の生育が心配されていました。

 ところが一転、梅雨明け宣言が出された7月中旬から連日の雨降りが8月中旬まで続きました。地域的に、また短時間に、集中的な雨降りが続きました。県北部では集中豪雨により河川のはんらんや土砂崩れが起き、農地にも影響がでました。通行止めとなる地域もあり、生活にも影響するほどでした。

 連日の雨と日照不足で農作物の生育は遅れ、また病気の発生につながりました。特に葉物野菜(キャベツ、レタス、ブロッコリー、セロリなど)は過剰な土壌水分により根の伸長が不十分となり、生育が遅れて予定の日にちが来ても出荷にならない状態が続きました。また、根に酸素が不足し、生育が止まり、後には病気の発生で腐敗してしまうほどでした。

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ブロッコリーの収穫に追われています(原村)

 ブロッコリー農家は、「通常の6割出ればいい状態だった」と語っていました。諏訪地方で夏場の生産の8割近くを占めるセロリも、生育が悪く、通常はLLサイズが多くて枝を欠いてLにするのに、L、Sが多く、さらに加工品しか出せない状態が続きました。

 このように野菜は出荷量が少なく、苦労の連続でした。

秋の野菜の植え付け
出荷量の心配も抱え

 しかし、これで問題が解決したのではありません。連日の雨降りで秋野菜の植え付けができず、これからの出荷量も心配です。「温暖化防止に真剣に取り組まなければ将来が心配」と語っています。
(長野県農民連 菊池敏郎)

(新聞「農民」2017.10.2付)
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2017年10月

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