「農民」記事データベース20170925-1280-10

旬の味


 収穫の秋がやってきた。わが家の田んぼに立てた案山子(かかし)が人の目を引いているようだ。男性案山子が“平和と暮らし、農に輝き”と訴え、女性案山子が“原発やめて! 里山の食べ物守って”と叫んでいる▼夫は、民宿に来た人たちに必ず“案山子”の話をする。単なるトリよけでなく、山の神様を案内する子どもとしての役目があると▼わが家の稲刈りは体験もできるハセがけが半分も占め、昔ながらの棚田のハセがけは阿武隈の山々とマッチして原風景をつくり上げている。この里山に稲刈りツアーで訪れた人々の歓声がこだまし、豊作を願いながらの収穫作業ができるように祈りたい▼今年は雨の日が多く、出穂や受粉が心配された稲。人生の先輩は、じゃがいもの豊作の年は米は不作だと言い、どこの家でも大きめのじゃがいもがたくさん収穫されたと聞くと、米は不作と予想してしまう▼が、少しずつ頭を下げ始めた稲穂にたくさんの期待を寄せている私。間もなく、虫の音とともに祭りの練習の笛の音も聞こえてくる。

(ま)

(新聞「農民」2017.9.25付)
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2017年9月

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