本の紹介
村田武・河原林孝由基 編著
自然エネルギーと協同組合
地域からの自然エネ事業
今こそ協同組合の出番だ
愛媛県食健連会長で、愛媛大学アカデミックアドバイザーの村田武さんが、農協や生協など協同組合による自然エネルギー事業の実践例をまとめたブックレット『自然エネルギーと協同組合』が、このほど刊行されました。
村田さんは、「安倍政権の『原発回帰』に対抗して、国民自らの力で脱原発と結び付けて自然エネルギー事業の展開をはかること」、そして「農林漁業・地域経済の活性化を、脱原発・原発に依存しない地域社会の構築への取り組みと結びつける必要がある」と強調。その担い手として、今こそ協同組合が出番だと期待を込めて提案しています。
第1章は、農協が畜産バイオマス発電事業で農家の畜産経営を支える取り組みを、第2章はソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を活用して、耕作放棄地を増やさない運動を紹介。第3章では、農協と生協をつないだ「食とエネルギーの産直」という新たな連携で、農業・農家を支える取り組みについて触れ、第4章ではドイツのエネルギー大転換と村づくりを論じています。
各地の具体的事例を紹介するだけでなく、バイオマスやソーラーシェアリング、小水力発電、「産直でんき」など、個人や法人で実践してみようという時に知っておきたい現状や論点なども短く、わかりやすくまとめられ、時宜を得た一冊となっています。
▼定価 1200円+税
▼出版社 筑波書房
▼四六判 112ページ
(新聞「農民」2017.9.25付)
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