「農民」記事データベース20170911-1278-04

米屋さんと生産者をつなぐ交流会
大阪会場

農家と米屋が一緒になって
米づくりと経営を守ろう

長年の交流再確認し
互いに成長めざす


生産者の生の声を
消費者に伝えられる

 農民連ふるさとネットワークは8月27日、米屋さんと生産者をつなぐ交流会を大阪市内で開催し、生産者や米屋、卸業者など約100人が参加しました。

 生産・流通・消費協力・連帯して

 ふるさとネットの小倉毅理事は国際農民組織ビア・カンペシーナの国際総会に触れながら、「流通、消費者と生産者が協力・連帯していくことが大切。そのためには学習も必要。大勢を動かすような取り組みを、一緒に進めよう」と呼びかけました。

 米卸会社を代表して津田物産株式会社の廣瀬浩一仕入部長があいさつ。「天候の優れないなかで、品質を上げるための工夫や、今後に対する産地や農家の思いを聞き、これまで作り上げてきた関係を再認識し互いに成長できるような交流にしてほしい」と呼びかけました。

 大阪府米穀小売商連合会(大米連)の河中義和会長も米屋さんを代表し「米屋も高齢化が進み、大きな米屋だけ残って町の米屋が姿を消していっている。米屋でお米を買う人は大阪でも10%を切っている。そんな中でも『スーパーの米と違う』と買いに来てくれるお客さんがいる。生産者の声を聞いて消費者に伝えられるのが私たち米屋だと思う。パートナーとして一緒にたたかっていきたい」とあいさつしました。

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米屋さんと語り合う生産者

 各産地からは米情勢の報告

 ふるさとネットの湯川喜朗事務局長が現在の米情勢について報告。「米価は上がっているとはいえ、生産費をまかなうにはほど遠い生産者の手取り水準。低価格米を求める消費者と折り合いをつけるには、戸別所得補償制度のような岩盤対策が必要。一緒に取り組んでほしい」と訴えました。

 各産地からは、「7月末からお盆まで、太陽が見えない状況。8月1〜10日の日照は平年比で太平洋側で2割、内陸部で4割、会津では6割で、いもち病も発生しやすい気象条件だった。今週からやっと晴れ間も出たが豊作はないのではないか」(福島県)など作柄の報告があり、また「レンゲなどの緑肥を使った、安全でおいしい米づくりに取り組んでいる」(福岡県)などと報告されました。

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会場のあちこちで情報交換が行われました

 米業者からは率直な意見も

 自由交流の時間ではあちこちで情報交換や商談が行われました。「互いの経営を守るために、多収穫米へぜひ取り組んでほしい」という米業者からの率直な意見も生産者に伝えられ、産地訪問を約束するお米屋さんもありました。

 また九州北部の大雨で被害を受けた福岡・みのう農民組合の上村庫史さんの下には、交流会後早速、新米の注文が入りました。

 和歌山県紀の川市の高橋範行さん(34)は「紀の川市では若い生産者が増えているので、米屋さんとの窓口になれるように参加しました。米屋さんから、『息子を連れて訪問したい』と申し出があり、農家と、米屋さんなどの若い世代同士をどうつなげていくか考えていきたい」と感想を話しました。


仕入先増やしウチの強みに

泉佐野市の米屋、東口千恵子さんの話

 自分は去年から米屋の経営にかかわるようになって、農家とも、ほかの米屋とのつながりもなかったので、勉強もかねて参加しています。仕入れ先が増えることをうちの強みにしていきたいです。玄米麺をもらったので、こういうものも置けたらいいなと思います。

 岩手のひとめぼれを主力に扱っているので、産地の状況が心配です。

(新聞「農民」2017.9.11付)
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2017年9月

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