「農民」記事データベース20170904-1277-03

協力を発展させ
知恵を出し合い

生産者と米屋の共存を

米屋さんと生産者を
つなぐ交流会(東京会場)

関連/米価2万円回復求める署名1万以上集め、地域の振興に


“つなぐ”交流から“
ともに作る”関係へ

 農民連ふるさとネットワークは8月20日、「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」(東京会場)を千代田区のエデュカス東京で開き、生産者、米業者ら130人余りが集いました。

 地域守る運動へ共同をさらに

 ふるさとネットの根本敬代表が主催者あいさつ。「シンポジウムなどの取り組みで、米業者から『農家はいつまで米を作り続けてくれるのか?』と心配する声が出ている。米屋さんと生産者を『つなぐ交流』から『一緒に作ってゆく関係』へと発展させ、国の米政策にインパクトを与える必要がある」と述べ、米作りと米業者、そして地域も守る運動へいっそうの共同を呼びかけました。そして、食品残さを減らす運動や子ども食堂を広げる運動などへの協力を呼びかけました。

画像
根本代表の開会あいさつを聞く参加者

 日本米穀小売商業組合連合会(日米連)の相川英一事務局長が来賓あいさつを行い、米政策が変わるもとでリスクを一方の負担としないためにも、「こうした交流会を各地で開き、生産者とつながることが大事」と述べ、あわせて生産者に「おいしい米だけでなく、それなりの価格の米の生産を」と要請しました。

 ふるさとネットの湯川喜朗事務局長が米の需給や米価など、米情勢と農民連の取り組み方針を報告しました。

 この低米価では米屋ももたない

 各産地から報告。豪雨で田んぼが冠水した地域もあった秋田県をはじめ、各地から長雨、日照不足、低温続きの実情や、作柄への影響の懸念が報告され、今後の天候回復への期待が語られました。

 東京都西東京市の米屋、野口晃さんから問題提起があり、「こんな低価格では生産者はもたないというが、米屋ももたない。米屋には所得補償のような制度はない」と語り、「家庭用の米は需要が減っているが外・中食は減っていない。そこをターゲットに多収穫米で収入も確保するよう取り組んでほしい」と訴えました。

 交流・意見交換会では、各テーブルに分かれて、生産者と米業界関係者らが、熱心に情報や意見を交換し、商談を行っていました。

画像
試食もしながら今年の作柄など意見交換しました

 生産者と小売店しめだす攻撃が

 閉会あいさつで、農民連の笹渡義夫会長は、政府が米の需給と価格の安定への責任から総撤退し、流通も大手業者一本に再編成しようとしていることを指摘。「生産者と小売店を締め出す攻撃がかけられているなかで、両者が共同して安全な米をどうつくるのか、多収穫米などにどう取り組むのか知恵をだすとき。価格の問題を解決し、米屋さんと生産者が共存するためにも、生産を支える戸別所得補償などの岩盤対策が必要。さらに共同を強めよう」と呼びかけました。

 話を聞いていて先が見えてきた

 東京都練馬区の相田米店、相田幸子さんは「生産者と直接話ができていい機会になりました。私の店では、お米を買ってくれる人を増やしたくてお弁当やおにぎりを販売しています。福岡の米粉ドーナツも米の消費を増やしたくて取り組んでいると聞き、共感できました。生産調整を廃止して一体どうなるのか、よくみえなかったのですが、話を聞いて先のことがみえてきたように感じました」と話していました。


米価2万円回復求める署名
1万以上集め、地域の振興に

千葉・香取革新懇が学習会

 千葉県香取市の香取革新懇は8月10日、「米1俵2万円の回復を求める署名」を1万筆以上集めるための学習会を開き、市内の農民、消費者、商工業者、建設業者ら20人が参加しました。

 報告した香取市議の宇井正一さん(千葉県農民連役員)は、1990年からの26年間で米価が1俵あたり9600円も下落(ほぼ半減)した同じ期間に、市内の商工会員が3割以上も減少したグラフを示し、2万円に回復すれば市内で44億円も増収となり、商店、飲食業、建設業などへの波及効果は130億円との試算を示しました。

 参加者からは「米を安く買えても安全が心配」「地域振興につながることがよくわかった」などの感想がだされ、「学習を重ねて署名を広げよう」と呼びかけられました。

(新聞「農民」2017.9.4付)
ライン

2017年9月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2017, 農民運動全国連合会