「農民」記事データベース20170814-1275-11

山形

庄内産直センター
創立30周年

祝賀会
産直まつり


消費者と共同し歩んだ30年
地域農業守るよりどころに

 山形県の庄内産直センターが、創立30周年を記念する祝賀会と産直まつりを7月29、30の両日、鶴岡市で開催しました。

 生産者と職員皆で力合わせて

 祝賀会には、地元の鶴岡市農協の関係者や日ごろから取引のある業者さん、産直センターの会員などのほか、給食に庄内のお米を届けている神奈川県横浜市の保育園の保育士や調理師・栄養士の皆さん、そして園児やその保護者たちもはるばる大型バスで駆け付け、総勢で約200人もの人々が出席しました。

 祝賀会は月山・出羽三山神社の山伏が吹く勇壮なホラ貝の笛の音で開幕。鶴岡市農協組合長の佐藤茂一さんをはじめ、ゆえんのある人々がそれぞれに心のこもった祝辞を送りました。

 しかしなんといっても参加者に大きな感動を呼んだのは、テーブルいっぱいに並んだ手作り料理の数々です。テーブルに飾られた花も稲の若穂、そばの花など、会員の生産する農産物が美しくあしらわれ、いとこ煮、関根みそ、ごま豆腐のあんかけなど手の込んだ郷土食や新鮮な野菜や果物は、まさしく「庄内をまるごと」満喫させてくれるものでした。

 「この1週間は、みんな夜遅くまで準備に明け暮れた」と言うのは、産直センター組合長理事の佐藤光雄さん。「でもセンターの職員も生産者もそれぞれが知恵と力を出し合い、みんなでつくる30周年になったと思う。この団結がこれからのセンターにとって大きな宝になる」と、佐藤さんは話してくれました。

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祝賀会の料理の数々。生産者や料理紹介もバッチリ

 私達は“食と農”守る運動の仲間

 米産直30年、春の田植え、秋の稲刈り交流ツアー20年という取り組みを重ねてきた、横浜市の小雀みどり保育園の川辺初美さんはこの30年を振り返って、「私たちの歩みは、単なる産直だけでも、農業体験だけでもない。大切なのは食べ物をつなぐ“人と人のつながり”“このおじちゃんが僕のお米を作ってくれた”というつながりを、子どもたちが学ぶこと」と言います。

 同じく横浜市の苗場保育園の調理師の日下なおみさんも、「農業を守ることは、生産者のためだけじゃないんです。私たちは子どもたちが安全、安心なものを当たり前に食べることを守る運動の仲間なのです」と、熱い思いを話してくれました。

 これからは地域守る拠点として

 翌日には産直まつりが開かれ、米や野菜などの農産物の直売や、焼きトウモロコシやかき氷などの飲食コーナーなどが店開きし、市内に新聞折り込みで配布したチラシを見た人で、駐車場も満杯になるほどの大盛況になりました。

 会場は、出羽商工会大山支所。この開催場所にも産直センターとしての今後に向けた決意が込められています。庄内産直センターとして地元の商工会議所のメンバーになり、「これからは農業を守るだけでなく、“地域づくり”の拠点になれるような産直センターになろう。そのためにも産直センターの姿を、地域の人にも見てもらいたい」という思いです。

 そして今後に向けた決意のもう一つの柱が、今年1月に再結成された青年部です。この日も青年部のメンバーが大活躍しました。佐藤さんの田畑を借りて青年部が共同作業で作っている畑のジャガイモ、トウモロコシ、枝豆の収穫体験には、チラシを見た20組を超える家族が集まりました。

 「わー、大きい!」「いっぱい取れた!」と大喜びする姿に、青年部のメンバーも「どれくらいお客さんが来てくれるのか、とても不安だったけど、こんなに喜んでもらえてうれしかった」とひと安心。部長の渡部康貴さんは、「青年部で畑は借りたけれど、部員もそれぞれ自分の農作業に追われて時間がとれず、農作物の成長に合わせて共同作業するのがたいへんだった。消費者と直接に顔を合わせられる産直の良さを引き継ぎつつ、若い自分たちなりの新しい農業も模索していきたい」と、率直に語りました。

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「たくさんとれたヨ!」――大盛況だった青年部担当の収穫体験で

(新聞「農民」2017.8.14付)
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2017年8月

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