茨城農民連・産直ネットいばらき
第2回経営学習交流会
元気にがんばる農家を視察
元気にがんばっている農民連会員の農家を視察・交流し、これからの参考にしようと、茨城農民連と産直ネットワークいばらきは2回目の経営学習交流会を7月3日、県西地域で開催し、県内各地から25人が参加しました。
若い息子に経営移譲し成長の糧に
無理のない時期に
1軒目は、農業高校卒業後、北海道の大学に進み、中退。21歳で農業に従事したときから経営を任され14年経つ野澤和人さん(35)=桜川市=。結婚して2人の息子さんがいます。
農業は、両親と祖母の4人で露地野菜3・4ヘクタールの経営で、大半は産直センターを通して生協への出荷です。お母さんは市の加工施設で製造、販売などにも関わっています。
|
生産と経営について学習と交流を深めました |
「無理な作付けはせず、無理のない時期に契約栽培。時代や自分たちの力量をよく考えながら経営していると感じた」「若い息子さんを信じて早い段階に最初から経営権を渡して任せているお父様の“農力ある男気”は立派」「父親が『後継者を育てるには経営を譲ること』いう失敗も成功も体験させてみることこそが、若い後継者が自ら考えて成長する一歩。素晴らしい」などの感想が出されました。
後継者なく共同経営の法人化へ
家族で継ぐ人なく
2軒目は、米26ヘクタール、麦、そば、長ネギなど畑44ヘクタール、梨85アールを栽培している大規模農家の高島健二さん(74)=筑西市=。1978年に5人で始まった集落営農ですが、今残っているのは高島さんともうひと家族の倅(せがれ)さん(58)の2人。外国人実習生2人と奥さんの5人が農業に従事しています。
高島さんは家族で農業を継ぐ人がいないため、農協職員を説得し、共同経営の法人化を検討しています。「地域を考えて農業をしている」「後継者の問題を大変うまく克服されて、先が明るくなったようです。同じケースが鹿行地域の農家にもいるので参考にしたい」「大規模経営でも後継者がいない農家、経営を守っていくための選択肢に『法人化』があり、そのために奮闘している高島さん事例はとても参考になりました」などの意見が出されました。
太陽光発電を経営の1つの柱に
勧めてみたくなる
最後となる3軒目は、飼料用米を作り、その上で太陽光発電(ソーラーシェアリング)をしている渡辺健児さん(66)=筑西市=。シェアリング面積は1500平方メートル、飼料用米の収穫量は10アールあたり625キログラム。「農産物の生産・販売だけでなく経営の1つの柱としても考える必要があると思った」「見てみて本当にやってみたくなるし、勧めてみたくなるものだった」「これからの農業あり方を考えさせられた。小規模農業の持続に大いに参考なった」などの感想が出されました。
|
ソーラーシェアリングを見学 |
農家経営を守り、地域の農業を維持していくために、元気に農業に取り組んでいる農民連会員に光を当てた視察研修を今後も継続していきたいと思います。
(茨城農民連 奥貫定男)
(新聞「農民」2017.8.7付)
|