「農民」記事データベース20170731-1273-15

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千葉
小倉 毅


ジャンボタニシの被害甚大
農民連で県に対策を要望

 食べつくされ田一面が消滅

 千葉県では、ここ10数年の間に、ジャンボタニシ(クスミリンゴガイ)による水稲への被害が拡大しています。田植え後の稚苗を食害するもので、あっという間に、一面が食べつくされ消滅してしまい、その被害は甚大です。

 対策は、冬場の耕うんや、捕殺、卵のかき落とし、用水口に網を張るなど、農業センターからの注意喚起の印刷物が配られる程度です。

 高齢化と大規模化による粗放的な管理など、これまでのような生産者任せの防除対策では、ジャンボタニシの生息域はさらに拡大し、被害の広域化は止められません。特に今年の発生量は「多」と発表されています。

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稲に生みつけられたジャンボタニシの卵。鮮やかなピンクの色が毒々しい。写真提供は大木傳一郎さん(千葉県匝瑳市)

 有効薬剤は高額 助成措置が必要

 千葉県農民連は、6月9日、県の本格的な防除・駆除対策を求める要望書を千葉県知事あてに届けました。県は実態調査も十分でなく、対策もこれまで通りで、事態を重大としてとらえていない様子でした。

 被害状況を調査し、国に対して「特定外来生物」「指定有害動植物」の指定を行うことや、有効な薬剤は高額のため、現在の米価水準では負担が重く助成措置が必要なこと、また、河川への影響が最小限に抑えられる有効な防除・駆除対策を、研究機関等の協力も得ながら、本格的に取り組んでほしいことなど要望しました。

 身近なことに取り組む大切さ

 そもそも、生産者は被害者です。一俵1万円そこそこの米価で、しかも生産者が導入したものでもないジャンボタニシを、どうして身銭を切って防除しなければならないのか。国なり、行政が先頭になって対策すべき仕事です。

 こうした、身近で細かなことも、農民連が正しく整理し要望していくことの大切さを感じさせる出来事でした。

(新聞「農民」2017.7.31付)
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2017年7月

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