この人
地元固定種のネギを栽培
金子昌悟(まさのり)さん(36)
(埼玉県農民連理事)
子育てのためネギ中心に
昨年の埼玉県農民連の大会で理事に選出された金子昌悟さん(36)は深谷市でネギを中心に野菜を生産しています。
徳島県出身の金子さんは、島根で林業を学んでいました。「40年以上かかる林業と比べて、自分のやったことの成果が1年で出るので、『自分には農業の方が向いているのでは』と思い就農を決意しました」
周囲には猛反対されたという金子さんですが、決意を貫き研修に入ります。2008年に第一子が誕生。奥さんの実家のある深谷市に引っ越し、2年間の研修を経て7年前に独立しました。いまでは3人の子の父親です。
奥さんの仕事もあるので3人の子どもの世話は主に金子さんが行っています。「ナスを5年ほど作っていましたが、時間の制約が大きく3人目の子どもが生まれたのをきっかけに、ネギ中心に移行しました」
現在は2・3ヘクタールの畑を借り、土地を休ませながら、ネギ70アール、ブロッコリー10アールほどを栽培しています。「ネギは水はけが大事で、土作りも有機肥料を中心にこだわってやっています。香りの良いネギをつくるために硫黄分を意識して与えるようにしています」とこだわりを持ってやっています。
「最近は贈答用に地元の固定種の宏太郎葱(ねぎ)なども栽培しています。F1の品種に比べ発芽率も悪く、やわらかくて長いので倒れやすいのですが、がんばって作っています」
「自分で育てたものを収穫し、おいしいと言ってもらえるのが何よりの励みです」と金子さんは語ります。「新しい機械も入れたいです。もっと技術を磨いて、農薬の量を減らし、安全でおいしいネギをつくっていきたいですね」と努力を続けています。
(新聞「農民」2017.7.24付)
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