TPP11も日欧EPAも許さぬ
〈院内集会〉
国内農業生産に大きく影響する
7月6日に日欧EPA(経済連携協定)の「大枠合意」が発表されたもとで、「TPPプラスを許さない! 全国共同行動」は10日、東京都内で「TPP11、日欧EPAを考える院内集会」を開催し、約100人が参加しました。
集会では、外務省や農水省、内閣府の担当者を呼び、交渉内容の説明と質疑応答を行いました。
日欧EPAに関して政府は「EUの関税を撤廃させた」とする一方、日本の関税についても「再生産に影響がない範囲にとどめることができた」と自画自賛に終始しました。
農民連の吉川利明事務局長は「国内生産に影響がないとは思えない数字だ。TPPの時のような影響試算を早急に出すべきだ」と要求。さらに「日欧EPAの合意は、TPP11やすでに合意した日豪EPAにも影響することは明らか。日本農業に壊滅的被害を与える」と訴えました。
TPP11については、「日本語の正文はできないのか」「安倍首相は国会審議中、『最終合意の見直しはしない』と言っていたが、アメリカ抜きで発効させるのは見直しではないか」などの質問が出ました。
最後に共同行動のメンバーの1人、オールジャパン平和と共生の植草一秀さんがまとめを行い、「主権を脅かす交渉に、断固として反対していきたい」と決意を述べました。
〈官邸前行動〉
展望を失わせる交渉はやめろ!!
同日の院内集会に続けて、TPPプラスを許さない! 全国共同行動は7月10日、首相官邸前抗議行動を行い、約100人が参加しました。
各分野から参加者7人がスピーチ。農民連からは鈴木弥弘さん(宮城農民連事務局長)がマイクを握りました。
鈴木さんは、「地域農業が生業として成り立たなくなりつつあり、地域農業が衰退している中で、さらに展望を失わせるような交渉が行われたらアウトです。国民のための食料生産をして、農山村でも人間らしい生活ができるようにするのが、国が真っ先にやるべきことではないでしょうか。来るべき選挙では私たちも黙ってはいません。命を懸けてたたかっていきます」と決意を語りました。
参加者は首相官邸に向かって「自由貿易は不平等」「日本を売るな。安倍総理」などと声をあげました。
〈食健連宣伝〉
いま必要なのは“自給率の向上”
全国食健連は7月11日、TPP11の首席交渉官会合と、日欧EPA(経済連携協定)に抗議する街頭宣伝を、東京・新宿駅前で行いました。
農民連の吉川利明事務局長は、冒頭で「内容も影響試算も明らかにせず、日欧EPAの大枠合意に突き進んだ安倍政権に、断固抗議する」と表明。「日本の酪農、ひいては地域経済への日欧EPAの悪影響ははかりしれない。たたかいはこれからだ。TPP11、日米FTAなど自由貿易協定反対の運動に一緒に取り組もう」と、訴えました。
日本共産党の斉藤和子衆院議員もかけつけ、熱いスピーチをしました。
(新聞「農民」2017.7.24付)
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