「農民」記事データベース20170724-1272-01

九州北部豪雨
現地リポート

大きな爪あと
甚大な被害

農民連・吉川事務局長
調査・支援に入る

関連/現地農民連役員と今後の対策を相談
  /九州北部豪雨被害救援募金 振込先

 記録的な豪雨で甚大な被害が出た福岡県に7月9日、農民連本部から吉川利明事務局長が支援に入りました。吉川事務局長の現地リポートです。


田・家が跡形もなく
土砂に埋まった

 朝倉市に向かう

 私は、川村好伸全国災対連事務局長(全労連常任幹事)、懸谷一福岡県労連副議長(福岡自治労連書記長)、福岡県農民連の藤嶋嘉子書記長(若宮農民組合事務局長)とともに、被害が多く出た朝倉市に向かいました。山崩れの大きな爪あとが何度も目に入り、豪雨のすさまじさを物語っていました。

 みのう農民組合では、井上永太郎組合長と佐々木督文書記長らが出迎えてくださいました。佐々木書記長から被害の概要を聞き、組合員の人的被害はなかったことや、被害があった地域に組合員は少なく、直接の被災は1件、実家や親戚の被災が数件とのことでした。

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井上組合長に見舞金を手渡す吉川事務局長(左)

田んぼが流され、
残った苗の生育が心配

 はじめに、被害の大きかった杷木地区に入りました。ここには、組合員である相良秀夫さんの田植えを終えたばかりの田んぼが15アールありましたが、流木やがれきが散在している大きな川が流れているだけでした。「川の流れが大きく変わり、田んぼも家もすべて跡形もなく流されてしまった」と相良さんが教えてくれました。

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右側にあった田んぼはえぐり取られ残った田んぼの苗は土砂に埋もれる

 上流の方ではおとなでも抱えることができないような大木が家を直撃、1メートル以上も土砂に埋まった家屋など、豪雨災害のすさまじい状況がありました。奥の方では自衛隊や地元消防団が行方不明者の捜索を続けているようでした。

ハウスのネギも病気
出荷できるかどうか

 被害の差大きく

 次に、副組合長の上村庫史(くらし)さんのお宅に向かいました。途中、車を走らせると同じ地域でも場所によって被害の差が大きいことに気付きます。道路を隔ててこちら側は水没、向こう側は何の被害もない状態でした。

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腰の高さまで土砂に埋まった家屋と車

 上村さんのお宅は母屋や納屋が床上浸水し、田んぼ3・5ヘクタールと万能ネギを栽培する10棟を超えるハウスが浸水する被害にあいました。田んぼの小さな苗は全滅、一定大きくなった苗も今後の生育が心配されます。また、土砂やがれきの流入で稲がなぎ倒された田んぼは来年の田植えが間に合うのか心配でした。ハウスのネギも病気が出ないか、出荷できるかどうか不安です。一部根から引き抜いて廃棄してあるネギもありました。


現地農民連役員と
今後の対策を相談

 現地調査を終え戻った一行は佐々木書記長らを交えて、今後の対策について相談しました。

 本部から準備してきた「災害対策のしおり」や熊本地震の際の被災農家向けの支援事業の概要を手渡し説明。被害状況の調査を進め、行政に熊本地震で実施された支援策を求めるとともに、その支援策を周りの農家に知らせる活動を準備することを相談しました。

 さらに、被災者救援募金を訴えることも確認しました。改めて全国からの支援を訴えます。


九州北部豪雨被害救援募金
振込先
▼ゆうちょ銀行から振り込む場合
 記号 10030
 番号 61671711
 名義 農民連災害対策本部
▼他の金融機関から振り込む場合
 店名 008(ゼロゼロハチ)
 普通 6167171
 名義 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2017.7.24付)
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2017年7月

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