シンポ
加計学園だけじゃない!
どうなってるの?国家戦略特区
PARC(アジア太平洋資料センター)主催
愛媛県今治市の加計(かけ)学園の獣医学部開設に関わる政治疑惑で、大きな注目を浴びている「国家戦略特区」をテーマにした緊急シンポジウム「加計学園だけじゃない!どうなってるの?国家戦略特区――農業、家事労働、医療…進む規制改革と私たちの暮らし」が6月29日、東京都内で開かれました。主催はアジア太平洋資料センター(PARC)。
「国家戦略特区」とは、安倍首相が議長を務める諮問会議が決めた経済特区内では、特区ごとの「規制改革メニュー」に沿って、規制緩和や税制優遇を行うというもので、アベノミクス成長戦略の一環です。
シンポでは最初に、特区に指定されている東京・大田区の区議、奈須りえさんが、国家戦略特区とはどういうもので、どういう問題点があるかを解説。TPPにも触れながら、「特区とは、規制を障壁、コストとみなし、本来人々の生活や環境、雇用などを守るための規制・制度を『岩盤』と称して破壊し、大企業のもうけを拡大する突破口にしようとするもの」と批判しました。
PARC共同代表の内田聖子さんは、「国家戦略特区とTPPは新自由主義の双子」と指摘。
小池都知事は特区開発を推進
また、この日が東京都議会議員選挙の投票日の直前だったこともあって、小池百合子都知事の就任後、特区を利用した大規模な都市開発が加速的に推進されている現状を紹介。「住民に内容も十分に知らされないまま、大企業優遇の税制や規制緩和が一挙に進められてしまう特区は、民主主義、地方自治とは相いれない。こうした問題もよく考慮に入れて、投票しよう」と呼びかけました。
訂正 2017年7月10日付(1270号)2面「好評です『ブックレット』」の記事中、宮城農民連事務局長・鈴木弥弘さんの手記のなかで、「宮城農民連の総会・講演会」とあるのを、「宮城食健連の総会・講演会」に訂正します。
(新聞「農民」2017.7.17付)
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