「日本の種子(たね)を守る会」が発足
生産者も消費者も
共に公共品種守ろう
主要農作物種子法(種子法)廃止に反対してきたJAや生協関係者などを中心に、食と農に関心を持つ200人を越える幅広い人々が集まり、「日本の種子(たね)を守る会」が発足。7月3日に結成総会を開きました。
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会場いっぱいにつめかけた参加者 |
記念講演で龍谷大学の西川芳昭教授は、「種子法は民間を排除していない。国が義務を放棄することを隠す言い訳にすぎない」「種苗法でカバーするというが、種子開発者の権利を保護する種苗法と、国に種子の安定供給の義務を課す種子法では、根本的に目的が違う」と指摘しました。
設立趣意書では、種子法の廃止により、米などの種子価格の高騰や豊富な品種の維持ができなくなること、世界の種子市場を独占する遺伝子組み換え種子企業が日本の種子市場に影響を及ぼすことなどへの危ぐを表明。
種の企業支配は食の安全脅かす
豊かな種=財産を将来世代に
食の安全や食糧主権、またこれまで蓄積してきた遺伝資源などの公共財産をを守るため、生産者や消費者という立場の違いを超えて、活動しなければならないことを訴え、「日本の種子を守る会」の設立を宣言しています。
設立趣意書に沿った今後の活動として、(1)農業試験場や奨励品種制度の維持、種取り農家の保護など、これまでの種子行政の継続を国や都道府県に働きかける、(2)新法制定に向けた協力関係構築と署名運動、(3)生産者や消費者への啓発活動と学習会の開催などの3点が確認されました。
発起人の一人、JA水戸の八木岡努組合長は、「水戸農協も48人の組合員が米、麦、大豆、そばなどの原原種を生産している。農家の努力があって、茶わん1杯20円ほどでごはんが食べられている。それを65年にわたって守ってきたのが種子法だ。きちんと次の代につないでいきたい」と決意を表明しました。
会則や役員体制も承認され八木岡さんが会長に、幹事長には山本伸司さん(パルシステム連合会前理事長)が選任されました。
農民連も加盟
農民連は、「種子法の廃止は国の食料自給への責任放棄である」として、「日本の種子を守る会」の活動に参加し、地域からたたかいを強化していくことを確認しました。
(新聞「農民」2017.7.17付)
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