農家が得する
税金コーナー
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課税を免れる
売り上げ増えて1千万円超え
岡山県のOさんは、会社勤めを定年前に退職し、実家の農業を継ぎました。
桃・ブドウなどの果物を中心にお父さんから受け継いだ畑を細々と経営していましたが、地域で高齢化が進み、農業をリタイアする人から頼まれて、果樹園を中心に広げてきました。夫婦で丹精込めた果物は評判を呼び、直接注文も増え、ついに平成26(2014)年度の確定申告で売り上げ合計が、1000万円を超え、28年度から消費税の申告が必要となりました。
自家消費は全額売上高に含むと
ところが27年4月に税務署から呼び出しがあり、「あなたは27年度から消費税の申告が必要」とのことでした。事務局立ち合いで税務署に出向いたところ「あなたの申告では25年度で課税売上高が1000万円を超えていて、申告の必要がある」との指摘でした。
Oさんの25年度の販売金額は983万円です。自家消費(試食用果物を含む)に30万円、農機具の購入にもらった補助金が少しです。税務署署員は「自家消費は全額課税売上高に含むので、1000万円を超す」と主張し譲りません。
いったん自宅に戻り、農民連本部に「消費税の場合の自家消費の割合の根拠となる国税庁関係の文書を捜して送ってほしい」と要請したところ、すぐに「国税庁―消費税―NO6317―個人事業者の自家消費の取扱」が送られてきました。それには「通常販売する価格のおおむね50%に相当する金額」と明記されています。
すぐ税務署の担当署員に電話をしたところ「私もそのあと色々調べさせてもらいました。あなたの方が正しいので、税務署には来てもらわなくていいです」との回答で解決しました。
課税されると50万円超の負担
もし課税ならば幾らくらいかかるかを試算してみると、届け出が26年だったため「簡易課税」は適用できず、本則課税で50万円を超える負担になるところでした。
家事消費にあてた農産物等の金額については、『税金対策の手引き』にある通り、出荷や販売のための経費がかかっていないことから、通常販売する金額よりも低い金額で計算します。
所得税基本通達39―2では、通常売買される金額のおおむね70%以上であれば認めるとしています。一方で、消費税法基本通達10―1―2では、「通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額以上であること」としています。
(税金対策部)
(新聞「農民」2017.7.10付)
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