「農民」記事データベース20170626-1268-08

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青森
森 淳一


若者が農業に目覚めて自立
村の新しい形がみえてきた

 夏は流しトマトのイベント開く

 青森市の北に位置する人口2890人の青森県東津軽郡蓬田村は西に大倉岳、東に陸奥湾がある農業と漁業(ホタテの養殖)の村です。近年ではトマトの栽培に力を入れており、夏には流しそうめんならぬ、流しトマトのイベントが開催されています。

 蓬田村には現在、新規就農者が6〜7人いて、村でハウスを1棟3万円で貸し出し、就農支援の取り組みを強化しています。

 大震災に遭遇し青森に移住して

 生まれが福島県で実家が桃農家の石田和則さん(41)は、宮城県仙台市で飲食店を経営していましたが、東日本大震災に見舞われました。妻の寛子さん(29)が青森市の生まれなことから、青森に移住しました。蓬田村の新規就農研修生の受け入れ条件がよかったので2013年7月から農業に挑戦しました。

 11棟のハウス(約3反歩分)を借りトマト、ミニトマトを栽培し、露地では玉ねぎを2反歩作付けしています。ミニトマトは6月中旬にも出荷予定です。ミニトマトは花が咲いてから30日といいますが、蓬田村はヤマセ地帯で寒いので少し遅くなります。受粉をマメコバチにしたいのですが、風が強いので、一つずつ手で受粉させています。

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石田和則さん(右)と森さん

 寛子さんと、寛子さんの妹さんのほかにアルバイト2人で経営しています。夫婦で営農しているため、農業次世代人材投資資金は年間225万ですが、今年は1000万円以上の収入が見込まれるため、交付されなくなります。

 村営住宅に住み地区消防団員に

 今は、寛子さんと3人の子どもの5人で村営住宅に住んでいて、阿弥陀川地区の消防団員としても活動しています。これからは蓬田村に自分の家を構え定住したいとのことです。

 新規就農者が活躍することで村の若者が触発され、農業に目覚めて農業者として自立するようになりました。村の新しい農業のかたちがみえてきて、うれしく思っています。

(新聞「農民」2017.6.26付)
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2017年6月

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