「農民」記事データベース20170626-1268-06

農家が得する
税金コーナー

固定資産税


農地並み課税に
なっているか確認を

 固定資産税の課税明細書をチェックしたところ、農小屋が建っている畑に宅地並みの課税がかかっていました。農小屋と畑を区分し、(1)畑は農地課税に、(2)農小屋は農地評価のうえ、造成費がかかっていないのでその分の減額を要求し、ただちに是正されました。

 生産緑地、調整区域内の農小屋、畜舎、鶏舎などの建っている土地が、宅地ではなく農地並み課税になっているか(平方メートル単価2000〜3000円程度が目安)確認しましょう。

 (1)農業用施設用地は農地並み評価で

 農業用倉庫や堆肥舎、温室など農業用施設が建てられている土地は、1997年から評価基準が農地比準評価方式に変わり、宅地評価から農地評価額+造成費に変更になりました。

 しかし、その運用をめぐって、(1)造成費をいくらにするか、(2)住宅用地に隣接する農業用施設用地を、独立した土地とみなさず「宅地評価」していないか、などが問題になっています。

 農民連は、各地でこれらの問題に取り組み、1平方メートル当たり3000円の造成費を、実際にかかった工事費500円に引き下げるとか、たとえ1筆であっても区画がハッキリしているものは、独立して農地比準評価にさせるなど、様々な成果を上げ評価が半額に下がった例もあります。

 (2)市街化区域にある土地は、画地計算の実態をみる

 画地計算(奥行や間口の長さ、不正形や傾斜の状態など)が現況に合わせて正しく処理されているか市町村に計算根拠を問い合わせます。奥行きや間口の程度により、軽減率が定められています。長さが1センチ違えば、軽減率も変わり、税額も変わってきます。奈良県香芝市では、多くの農家が自分の農地について役所から計算の根拠を聞き出し、実際に計測したところ、役所の誤りが少なからず判明し、税額を大幅に軽減させました。

 (3)堆肥舎などの建物は家屋ではなく償却資産に

 建物への固定資産税は、家屋の場合、存在する限り課税され、基準年ごとに評価替えが行われます。ところが、償却資産の場合は、取得価格が出発点となり、減価償却した残額が課税標準になり、耐用年数に達すれば課税はなくなります。

 家屋か家屋でないかの判断基準は、風が通るかどうかです。雨よけの屋根と壁との間が空いて風が通る堆肥舎などは償却資産になります。家屋として長期間税金を払っていませんか?

(つづく)

(新聞「農民」2017.6.26付)
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2017年6月

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