旬の味
わが家の納屋の一角に古い縄綯(なわない)機がある。昔父が使っていたもので、さびて今すぐ使用できる状況ではないが、左手にワラを持ち、右手でワラを数本ずつ差し込みながら左右の足を踏むことで縄に変化していく様子を感動しながら見ていた幼い日が懐かしい▼時々くずの出口をトントンとたたく姿をまねてのお手伝い。その時ケガした私の中指は今も曲がったままだ。「さすが父ちゃんの縄」と家族をうならせた縄は編みかけのまま残っている。その縄と曲がった指を見ていたら、以前農業をめぐる学習会で聞いた「昔から百姓は自分の首を絞める縄をない続けてはいないだろうか」との言葉が浮かんだ▼次から次に「いったいどこまで」「どうなるの?」。法案は怒マーク。農業をめぐる状況も深刻。農業者の姿勢が今ほど問われているときはないと思う。惑わされずに自分の目でしっかり読み、確かめ、語り合って考え、行動していこう。受け継ぎ、なう縄は生命と平和をしっかり結ぶ縄だよネ、父さん!! (え)
(新聞「農民」2017.6.12付)
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[2017年6月]
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