多国籍企業の農業支配に
連携強めて反撃を!!
ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議
インドネシア・ジョグジャカルタ
5月22日から25日までインドネシア・ジャワ島中南部のジョグジャカルタで国際農民組織ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議が開かれました。
農民連を含めて13組織の代表が出席。農民連からは藤原麻子常任委員と岡崎衆史国際部副部長が参加しました。自由貿易の名で農業支配を強める多国籍企業に対し、あらゆる場で反撃するため連携を強化することを確認しました。
女性の地位向上、土地収奪、気候変動、農村から都市への人口流出、移民労働者、食糧主権についても討議しました。
農民連は、TPPをめぐる情勢とこの間のたたかい、アベノミクス農政に対抗し食糧主権を実現するための活動、ジェンダー平等、沖縄の基地問題を報告しました。
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ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議に参加した人々 |
自由貿易は、企業のための「自由」であり、農民の「自由」ではない
東南・東アジア地域では、大きな経済貿易圏の確立を目指し、WTO(世界貿易機関)、RCEP(地域包括的経済連携)、TPPなどを通じ、自由貿易の名で新自由主義の嵐が吹き荒れています。各国で農業の工業化・大規模化が進み、土地収奪や種子の支配がひろがっています。
この流れに対抗し、消費者と手を結んで種子を守り、産直運動をすすめる韓国。環境と生態系に配慮した農業(アグロエコロジー)をすすめながら、農地改革の徹底を求めるインドネシア。企業や政府に土地を奪われた農民を励まし、土地を取り戻す運動を長年継続しているタイやフィリピンなど、参加組織から自由貿易に立ち向かう活動が報告されました。
農民と農村で働く人々の権利宣言を早期に成立させよう
ビア・カンペシーナは、「農民と農村で働く人々の権利宣言」を今年の国連総会で採択・成立させようとしてきましたが、来年以降へ持ち越されてしまいました。EU、アメリカ、日本、韓国などが修正改悪を要求し、草案に含まれる「食糧主権」を外すよう求め、種子や生物多様性に対する権利にも反対しているためです。
地域会議では、草案を早期に成立させ、各国の農業・労働政策を転換するために自国の政府への働きかけを強めることが確認されました。
長年この地域を代表して国際調整委員(ICC)を務めてきた、ヘンリー・サラギ氏(インドネシア)と、ユン・グンスンさん(韓国)が退任し、新たにザイナル・アリフィン・ファウド氏(インドネシア)とキム・ジョンヨルさん(韓国)が選出されました。
(新聞「農民」2017.6.12付)
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