「農民」記事データベース20170529-1264-08

私は88歳の新規就農者

福岡・若宮市に住む
須河内 省三さん

関連/イラスト2点


元気な農水省OB
荒れ放題の竹山手入れ
炭小屋も建て竹炭作り
梅ジャム作って販売も

“生涯現役の1年生”です

 福岡県の若宮農民組合の打ち合わせ会議に居合わせた須河内(すがうち)省三さん(88)=宮若市=が「農家ではないが農民組合に入れるのか? 部落の集会のとき、非農家だと言って仲間に入れてもらえない」と発言し、それまでの会議の固い空気がパッと明るくなりました。

 須河内さんは元農水省の職員、霞が関をはじめ地方で農業センサスの統計の仕事に携わっていました。定年直後にODA(政府開発援助)の技術協力者として南米のパラグアイに単身赴任。

 パラグアイの政府機関に専門分野の統計で貢献し、現地の方とも仲良くなり「パラグアイの自給自足的生活が自分に合っていた。単身だが不自由は感じなかった」と話します。

 日本からみると地球の裏の人々の暮らしをもっともっと聞きたくなります。

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88歳にしてなお元気な須河内さん

 家と山守るため ふるさとに戻る

 帰国後は千葉県に長く住み、年金者組合などの活動をしているときに奥さんが他界。3年前に85歳で郷里の若宮へ家と山を守るために戻って来ました。戻って来たときは荒れ放題の竹山をひとりで手入れし、見事に復活。「炭小屋を作り竹炭でも始めるか。梅がいっぱいあるのでジャムを作って売るのも良いな〜」と立派な新規就農者です。

 農家は生涯現役ですが、毎年気候が違い、長老とはいえ毎年1年生のようなものです。農民組合に加入された須河内さんの“88歳にして新規就農者で生涯現役の1年生”。この記録は多分誰にも破られないでしょう。

(福岡・若宮農民組合 藤嶋嘉子)


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東京・日の出町 折田ナナ

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長野・小諸市 布施和子

(新聞「農民」2017.5.29付)
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2017年5月

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