「農民」記事データベース20170529-1264-07

僕の活動のつながりは
すべて畑から生まれた

農業歴は堂々10年以上
弱冠22歳の島田 優さん
〈奈良県農民連北和センター〉


子どもたちに食農教育
福祉など地域の活性化も

 今回ご紹介する組合員は、弱冠22歳で3月に大学を卒業しましたが、農業歴は10年以上といった経歴の持ち主・島田優(まさる)さん=奈良市在住=です。

 農業始めたのは小学3年生の時

 彼の作る野菜は質も味もよく取引先からも高く評価されています。農業を始めたのは小学3年生のとき。担任の先生から勧められた農業にはまり、農業熱は冷めることなくますますエスカレート! 中学時代は親に初めの契約のみしてもらい一人で貸し農園を耕します。

 農業高校に進学後は貸し農園では物足りなくなり、7畝の畑を借りて耕し、休日や長期休暇には奈良の各農家へ研修に行く日々を送っていました。

 その後、近畿大学農学部に入学。新たに富雄で2反の田と畑を借り受けます。そして毎朝、棚田の畦の整備(モグラの被害のため)→大学講義→作業及び農作物の出荷→大学講義と、こんな忙しい大学生活を送るなかで念願の農業高校の教員免許も取得しました。

 そして今につながる学生団体「ゲミューゼ」(ドイツ語で野菜)を発起しました。子どもたちに食農教育活動を行い、途上国で農業講師も行うなど農業と地域創生に関わる活動を続けてきました。

 一から育てるに喜びを見出す

 「農から始まるあらたなつながり」。島田さんの思いの詰まった言葉です。島田さんは、「僕の今の活動などのつながりは全て畑から生まれたんです」と言います。この春から学生団体であった「ゲミューゼ」は法人化に向けて動き出します。自分の手で一から作物やそれに関わる活動をつくり育てることに喜び見いだす島田さん。無限の可能性ばかりと思いきや農業の厳しい現実も踏まえて「農業だけではやっていく自信はありません」とハッキリ言います。だからこそ福祉や地域社会、教育へとつながっていくことを目指しています。

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島田さん(左)と近大農学部の仲間たち

 農民連と協力し良い農作物売る

 「農業ってもともと何にでもつながっていける、そういうもんでしょ」という島田さん。農業は全ての根幹です。農民連が目指す運動にもつながります。これからも島田さんの活動に目が離せません。

 島田さんは言います。「農民連とも協力して、質の良い農産物を販売していきたいと思っています。農業体験や食育にも力を入れています。私たちは行政の支援金などの対象外であることから販路の面、機械類などの物資の面でもぜひご協力をいただけたらうれしいです。これから育つ子どもたち、地域の活性化のためにがんばります」

(奈良県農民連北和センター「北和だより」から)

(新聞「農民」2017.5.29付)
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2017年5月

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