玄米の残留農薬検査調べて安心!!食品分析センター新機器使って
数値ではっきりホッ「測ってみて安心できました」「やっぱり調べることは大事」という声が生産者からあがりました。多くのみなさんにカンパのご協力を頂き、農民連食品分析センターは新機器を導入しました。早速この装置を活用しようと、農民連女性部の協力で、玄米の残留農薬検査を行いました。
ネオニコ系など10種類が対象8人の生産者にサンプルを提供してもらい新機器のLC/MS/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)による農薬の一斉分析を行いました。対象としたのはネオニコチノイド系農薬7種類と、環境への影響がネオニコチノイド系と同様に心配されている農薬3種類の計10種類です。 結果は表のとおりです。農薬の残留はなし、あるいはごく微量の検出のみ認められる結果になりました。
検査の必要性を実感した結果について各生産者はどう感じたのでしょうか。全て検出ゼロだった、福島市の佐々木賀代子さんは「うちはもともと殺虫剤を使用していなかったので、出ないとは思っていましたが、数字ではっきり示されてほっとしました」と話しています。 岩手県花巻市の久保田彰孝さんはクロチアニジンがごくわずかに検出されました。「ここ2年間はカメムシ防除をしていなかったので、検出されないものだと思っていた」と驚きの声をあげました。 「3年前の残りなのか、それともまわりの農家が散布した分が出たのか。実際に使用している人はどれくらい残留しているのか気になる」と話す久保田さん。 「ダントツ(クロチアニジンを含む商品)などはあちこちで使われているが、ミツバチに対する影響の議論があり、農薬が周りにどういう影響を与えているのか、関心を持たないわけにはいかない」と話しています。
福島県喜多方市の佐藤博一さんは「カメムシ防除でキラップ(エチプロールを含む商品)は使っているけど、出るんだなぁ」とポツリ。基準値よりかなり低い数字に安心しながらも、「米の品質が下がるから、使わないわけにはいかない。多成分が混合された農薬が多く、正直な話、自分が使っている農薬にどの成分が入っているか、よくわからない」と話し、「どれくらい残留しているかを調べるのはとても大事だ」と語りました。
安心して営農するために
今回の結果を受け、分析センターの八田純人所長は、「ごく微量ですが、防除に使用していないにもかかわらず、ネオニコチノイド系農薬の残留が検出されるケースが、他にもみられます。飛散の影響など引き続き調査が必要ですが、こうした実態を把握するためには、検査をする必要があるのではないでしょうか。安全、安心の農作物は検査があってこそ担保されます。また検査をすることによって技術的にも進歩するのではないでしょうか。ぜひ検査の活用をお願いします」と呼びかけています。 |
[2017年5月]
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