「農民」記事データベース20170515-1262-09

この人

就農8年・有機野菜生産
中元梨愛(りえ)さん(30)
(奈良県葛城市在住)


土のいい力でいい野菜をつくる

画像  奈良県葛城市の中元梨愛さん(30)は就農8年目です。御所(ごせ)市にある父親の実家の農地を借りて、2ヘクタールの畑と2棟のハウスで、有機栽培野菜を生産しています。以前は料理人見習いとして働きながら、家庭菜園で作った野菜をレストランで使っていました。

 「いずれは自分で農家レストランをやりたいという夢があって、菜園で野菜作りをしていました。実際に作ってみるととても片手間ではできないと痛感しました。野菜を作って料理をすれば、腕も上がるのではという思いもあって、本格的に農業の道に入りました」と中元さん。

 「小さな畑が多く、段々畑での耕作は労力がかかるので、できるだけ手をかけない方法を模索しています。刈った草や収穫の終わった野菜などは畑にすき込み、できるだけ土に返すようにし、堆肥も自分で作っています。土の力があればいい野菜ができると思って頑張っています」

 中元さんはイタリア野菜も多くつくっています。「あまり知られていませんが、多くの人に受ける野菜がたくさんあります。リピーターも多いんです」と語ります。「夏に向けてパプリカの量を増やしたいですね」と計画中です。

 中元さんの今後の目標は「地域で農業に携わる人を増やしたい」ということです。「これからは、一般家庭で日々使われる野菜に力を入れていきたいです。子育て中のお母さんたちと自然と付き合いが増え、畑の見学や、収穫体験をしたいという人が増えています。私は都会生まれですが、両親の田舎で農業に触れる機会がありました。今の子どもたちは、そういうつながりがないと、食べものがどうやって作られているのかわからなくなっていると思います。それを伝えることができれば」と語っていました。

(新聞「農民」2017.5.15付)
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2017年5月

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