「農民」記事データベース20170424-1260-01

岩手県農民連の青年部確立をめざして

まずお互いの経営知ろう

青年農業者が集まった


経営実態聞き、作業もお手伝い

青年農家経営の山桜牧場訪ねる

 要求にこたえる活動を具体化

 岩手県農民連では青年部の確立をめざして、青年・後継者対策に力を入れています。青年農家の要求にこたえた活動を具体化するために2月16日には若手農業者の集まりを開催し、6人が参加しました。互いの経営状況を語り合う中で出た、「いろいろな農業経営を知りたい」という声に応え、お互いの農場を訪問することに。

 第1回の3月27日は滝沢市の(有)山桜牧場を訪問しました。岡田現三事務局長や地元の民主商工会の青年部員も含めて11人が参加しました。

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少しだけ仕事のお手伝い。「カウトレーナー」を箱から出して組み立てました

次回は葉タバコと畜産の農家を計画

 乳価100円で“水よりも安い”

 迎えてくれたのは桜井善さん(36)です。岩手山のふもとに広がる畜産地帯で、近くの2軒の酪農家とともに有限会社を作り共同で経営しています。畜産クラスター事業に採用され、新しく120頭が飼育できる牛舎を1億3千万円で新築しました。搾乳しているのは約60頭で日量1・5トンほどを出荷しています。「乳価は100円を切るくらい。ほんとは100円欲しいけど、それでも水より安い」と話します。

 ふん尿はベルトコンベアで回収し堆肥化しています。「デントコーンを17〜18ヘクタール、牧草を20ヘクタールそだてているので、堆肥は足りないくらい。濃厚飼料は3〜4%。あとはデントコーンと牧草です。15、16年と牧草もデントコーンも豊作で、まだ2年前の草をエサに与えています」と桜井さん。

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堆肥場を見学。説明しているのが桜井さん

 同業ならではの疑問も飛び出し

 搾乳する機械も見せてもらいました。「乳房の消毒はどうやっているの」など同業ならではの質問も飛び出し、「初期投資は高額だがメンテナンスがしっかりしているので、ヨーロッパのメーカーの機械を導入した」との説明に感心の声が漏れます。

 せっかく来たのだからと少し作業を手伝うことに。牛の寝床を清潔に保つために取り付ける、「カウトレーナー」という道具100個ほどを手分けして組み立てました。

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牛舎の中はキレイに保たれていました

 今の時代の酪農見られてよかった

 見学会の解散前に仮部長を決めようということで桜井さんが選ばれ、奥州市の稲作農家の橋本勉さん(36)が事務局を担当することになりました。次回は二戸市の葉タバコと畜産農家を訪問しようと計画しています。

 橋本さんは「今の時代の酪農の様子が見られて新鮮でした。きちんと生活ができるようにしないと担い手は出てこないので、経営をどう成り立たせるかが悩ましいですね」と話していました。

(新聞「農民」2017.4.24付)
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2017年4月

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