「農民」記事データベース20170417-1259-13

本の紹介

田代洋一著
農協改革・ポストTTP・地域


問題の歴史的な経過たどり
TPP後の安倍農政を問う

画像  農政が安倍政権下の焦点になっている。農協「改革」、TPP、地方創生のいずれもアベノミクス成長戦略の鍵(かぎ)を握るからだ。

 なかでも農協「改革」の嵐が吹き荒れている。改革をカッコに入れたのは押し付けの「改革」だからだ。農協はいま、「農業所得の増大」「生産資材価格の引下げ」といった押し付けられた改革テーマに必死に取り組んでいるが、「改革の鍵は信用事業を手離すことだ」と言われて戸惑っている。いったい農協「改革」の真の狙いは何なのか。農協はどんな道を進むべきなのか。組合員や地域社会とともに考える必要がある(第1、2章)。

 TPPはアベノミクスの柱だが、トランプ新大統領はそのTPPからの永久離脱を宣言した。今後は二国間交渉で日本を攻めまくる構えだ。日米同盟も見直すという。TPPの次には何が来るのか。トランプ登場は通商交渉のみならず世界史の流れを変えるだろう。そのなかで、これまでアメリカ一辺倒だった日本の国としての進路が問われている(第3章)。

 アベノミクスのもう一つの肝は「地方創生」である。安倍政権は、首都圏を成長のエンジンと位置付けつつ、それと地方創生(ローカルアベノミクス)を両立させるというが、果たしてそれは真の地域再生になるだろうか(第4章)。

 安倍政権は今のところ盤石のようだが、果たしてそうか。最近の政治状況のなかに変化の新しい芽を探りたい(第5章)。

 本書は2015、16年の農政を論じる時論書だが、問題の歴史的な経過をたどることに努めた。本書が、農協問題をはじめ今日の農政を考えるうえで少しでもお役にたてることを願いたい。

 (「はじめに」から)

 四六判並製、222ページ
 定価 2000円+税
 注文先 筑波書房 Tel 03(3267)8599、Fax 03(3235)5949

(新聞「農民」2017.4.17付)
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2017年4月

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