福島県農民連女性部総会
農民連女性部があるから
前向きに、元気になれる
明るく元気な発言いっぱい
もの作りの幸せ、楽しさ大切に
たいへんだけど私達は負けない
福島県女性部の総会が4月1日、南相馬市鹿島区で開かれ、県内各地から39人の女性が集いました。
代表世話人の佐藤常子さんの元気なあいさつで総会がスタート。「TPPの発効が阻止された。これは貿易一辺倒はおかしいという声が私たちも含めて世界中に広がったから。ここに確信を持ちましょう」と、訴えました。
事務局の佐々木賀代子さんが議案を提案。東日本大震災と原発事故から6年を経て、さらに深刻さを増している被害の現状や、共謀罪、農業競争力強化支援法案など相次ぐ安倍政権の暴走に触れながら、「今年は選挙の年。周りにいる女性たちを巻き込んだ楽しい活動を広げ、女性のネットワークと力を生かして政治を変えていきましょう」と呼びかけました。
昼食とりながら全員が近況報告
お昼ご飯は、野菜の煮物や黒豆おこわ、菜の花のエゴマ和え、漬け物など、南相馬市鹿島区農家民宿の皆さんが手作りしてくれたお料理がテーブルいっぱいに並び、昼食をとりながら、参加者全員が近況や日ごろの思いなどを語りました。
喜多方市から参加した菊地二三子さんは、「経営を息子に移譲し、私たち夫婦は作ることに専念しています。この歳になって、原発事故があって、あらためてものを作って食べられる幸せを感じながら、米と野菜作りをがんばっています」と語りました。
川俣町の斎藤房子さんは、「酪農をやっています。原発事故後、輸入エサに変えなければならず、牛が死んだりしてたいへんでしたが、このところ自家製の飼料を食べさせられるようになり、牛の体調も戻って、やっと軌道に乗ってきました」と、近況を報告。
二本松市の大津利子さんは、「米と自家用野菜を作っています。原発事故とほぼ同時に孫が生まれて、避難した方がいいかとか、本当に頭がおかしくなりそうでした。最近やっと、ちょっとだけ不安が減ってきました。でも私たちは負けないでがんばろうと思います」と話しました。
生活切り開く道 みんな違って
南相馬市小高区の渡部チイ子さんは、南相馬女性部でも藍を作り始めたことや、3年前から取り組んでいる共同作業のワタづくりを今年もやること、そのワタを材料にして、NPOの若いお母さんがコットンパールのアクセサリーにしてくれていることなどを報告。「米や野菜でなくても、いろいろなものを作ってみることでもの作りの楽しさを取り戻しています。農業をしないと、天気予報も見なくなるし、季節感もなくなっちゃって…」と話すと、「ホント?天気予報見ないの?」「へー!そうか〜」と、会場じゅうが大盛り上がり。
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にぎやかに藍染め体験の作業中 |
渡部さんは、「いまは生活を切り開く道はみんな違って、人それぞれ。戻っても地域コミュニティーもなくなって、農業ができる保証もない。でも意外とみんな元気でしょ? それは農民連があるから。女性部に集まって、情報交換したり、言いたいこと言ったり、ものをつくったりして、一歩一歩、前に進んでいます。ワタの収益でハワイ旅行がしたいな〜(笑)」と話し、満場の拍手喝采を浴びていました。
みんなで藍染め 作業にぎやかに
午後は、農家民宿と南相馬女性部のみなさんに先生になってもらって、藍染めを体験しました。白いハンカチを輪ゴムで縛ったり、洗濯バサミで挟んだりしてから、乾燥した藍の葉を溶かした藍液につけて、空気にさらす、これを3回繰り返します。空気にさらしているうちに、初めは鮮やかな黄緑色がどんどん深い藍色に変化し、楽しいことこの上なし。にぎやかに作業し、最後にみんなで作品を手に記念撮影しました。
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作品を手にみんなでパチリ。同じ物は2つとないオリジナル |
(新聞「農民」2017.4.17付)
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