「農民」記事データベース20170410-1258-03

大義ない種子法の廃止
公的管理が企業の手に

種子守る講演会開く

関連/「森友学園」の真相究明へ 声をあげよう


 全国有機農業推進協議会、日本の種子(たね)を守る有志の会などは3月27日、衆院第1議員会館で講演会「日本の種子(たね)を守る会」を開きました。

 TPPとん挫で

 呼びかけ人の一人の山田正彦元農水大臣(弁護士)が主催者あいさつ。「TPPがとん挫した後も主要農作物種子法(種子法)廃止法案、農業競争力強化支援法案などTPP協定の内容に沿って改悪が進められようとしている」と訴えました。

 京都大学の久野秀二教授が「大義なき主要農作物種子法の廃止――公的種子事業の役割を改めて考える」のテーマで講演。「種子は最も基礎的な農業資材。種子のあり方が農と食のあり方を左右し、農と食のあり方が種子のあり方を規定する。『種子を制する者が農業を制し、遺伝子を制する者が農業と食料を制する』のだとすれば、それを社会的・民主的に規制することは必要かつ重要」だと述べました。

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講演する久野教授

 種子法廃止で、国や都道府県が開発・保全してきた育種素材を民間企業が商品開発し、それに対する知的所有権が強化されることになり、国民の財産が民間企業に売り渡されることなどの懸念を示しました。

 廃止の背景に、政府・財界による新たな農業・農協攻撃の一環としてのアベノミクス農政、種子事業を民営化し、農民の種子を多国籍企業の特許種子に置き換えようとする種子ビジネスの攻勢があることを指摘。その一方で、環境・生物多様性・農民の権利を守ろうとする流れを紹介し、「種子事業を国民的課題として位置づけることが必要だ」と呼びかけました。

 低い自給率では

 参加者の発言として、NPO法人民間稲作研究所の稲葉光國理事長は、「種子法廃止で都道府県の種子事業の財政的な裏付けがなくなる。大豆、小麦の自給率が低い現状で、日本の食料を守れるのか」と警鐘を鳴らしました。JA水戸の八木岡努組合長は、農産物の原種を栽培する農家の協力も得て、学校給食や病院給食などで地元の農産物の使用率を上げる取り組みを紹介しました。

 呼びかけ人の金子美登さん(有機農家)が「種の自給は国民の自立。みなさんと結束しながら運動していきたい」と閉会あいさつをしました。


「森友学園」の真相究明へ
声をあげよう

総がかり実行委
定例国会前行動

 不透明な国有地の格安払い下げなどが問題になっている「森友学園」問題で総がかり行動実行委員会は3月30日、衆院第2議員会館前で行動に取り組みました。集まった500人の参加者は、「国有財産を私物化するな」「教育勅語は憲法違反」とコールしました。

 主催者あいさつした、総がかり行動実行委の小田川義和さん(全労連議長)は「森友問題は、政府の信頼にかかわる重大問題です。真相究明の声をあげていこう」と呼びかけました。

 日本共産党の宮本岳志衆院議員ら国会議員がスピーチしました。

(新聞「農民」2017.4.10付)
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2017年4月

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