「農民」記事データベース20170403-1257-10

旬の味


 私の住む北海道東部は国内で最も遅く桜の咲く所。漁業と酪農が主な産業の地域です。今年は例年に比べて少ない積雪ですが畑(牧草地)は全面真っ白。それでも日差しは強く長くなってきました▼米はもちろん自家用を除けば野菜もほとんど生産されていません。主に牧草を生産し、放牧とサイレージ(漬け物のようなもの)にして冬場の牛のエサとして保存。体重が600キロ前後もある牛は青草で60〜80キログラムも食べてしまう大食漢。そんな牛たちに満足できるだけのエサを食べさせてミルク(乳)を搾るのが毎日の仕事です▼昨年は8月後半に次々と台風が襲来し雨が降り続きました。牧草の収穫が思うように進まず、品質の悪い草となってしまい乳の出や牛たちの健康が心配されましたがなんとか乗り切れそうです▼5月になれば牛たちは放牧地で腹いっぱい青草を食べてたくさんの乳を出してくれます。牛飼いにとっても牛にとっても待ち遠しい季節。放牧が始まるとミルクの味も変わり懐かしい味になります。

(イ)

(新聞「農民」2017.4.3付)
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2017年4月

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