生消研がシンポ開催
関連/次から次へと思いあふれて
協同組合が果たす役割重要
活力ある地域づくりに貢献
食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研)は3月11日、第43回シンポジウムを開き、「地域再生と協同組合」のテーマで報告と討論を行いました。
松本和広会長が主催者あいさつ。「新自由主義、規制緩和の流れの中で、人と人とのつながり、地域コミュニティーの再生、持続可能な社会の実現など協同組合の果たす役割がますます重要になっている」と、開催の意義を述べました。
大地と心を耕す
3人が基調報告。地域協同組合「無茶々園」(愛媛県西予市)の大津清次さんが「無茶々園40年の活動と21世紀型運命共同体づくり〜大地と共に心を耕せ〜」のテーマで話しました。
無茶々園は1974年に15アールの伊予かん園を借りて始まりました。今では農事組合法人を核に、農産物販売や福祉事業、研修事業に取り組み、地域の農業と老人介護を支え、住民に雇用の場を提供しています。
これまでに、組合員数も約70人を数え、栽培面積も114ヘクタールまで広がっています。大津さんは「健康で安全な食べものの生産を通してエコな生活を求め、町づくりをしていきたい」と語りました。
「農業+観光」
群馬県川場村の「田園プラザ川場」常務の松井清一さんは、「道の駅を拠点とした地域デザインづくり」について報告しました。
村づくりの基本「農業+観光」を集大成の事業と位置づけ、村の地場産品の振興、新規開発を担うとともに、コミュニティー活動や東京都世田谷区との事業協力と交流を推し進めていることを強調。「活力ある地域社会をつくり、地方創生に貢献していきたい」と決意を述べました。
新規就農者育成
生活協同組合連合会コープネット事業連合の赤松光理事長は、「地域協同と生活協同組合がもつ可能性」について語りました。
住民の生活支援サービスを提供する生協の役割について実践例をあげて示し、 「産直」で生産者と組合員とのつながりを図り、地域を元気にしていく必要性を述べました。
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報告する(右から)赤松、松井、大津の各氏 |
さらに、農業後継者、担い手、新規就農者を育成し、その企画を応援する取り組みを産地ごとに紹介しました。
その後、参加者は、3人の報告者に質問するなど討論し、交流しました。
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北海道・札幌市 柳谷マサ子 |
(新聞「農民」2017.3.27付)
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