岩手
県農民連女性部と漁民組合が交流会
温暖化? 今、海がおかしい!
海の生態系変化と浜の復興が話題に
岩手県農民連女性部と岩手県漁民組合が2月14日、交流会を開きました。岩手県女性部では、東日本大震災以降、県内沿岸部に支援物資を届け、炊き出しなどの支援活動に継続的に取り組んできました。その支援は158カ所に上ります。今回、交流に訪ねた大船渡市三陸町もその中の一つです。
三陸漁業生産組合に到着すると、朝取ったばかりのホタテ、毛ガニ、タコ、アワビなどが食べきれないほど用意されており、お刺身やドンコ汁などをたくさんいただいて、それはそれはおいしかったです。
三陸漁業生産組合からは、前組合長の瀧澤英喜さん夫妻、新組合長の熊谷喜之さん夫妻をはじめ、組合員の皆さんや浜のお母さんたち、そして漁民組合から海区調整委員になった菅野修一さんが参加してくれました。
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とれたての海の幸に舌鼓を打ちながらの交流会 |
三陸にいた魚が北上している
皆さんからは、大震災で家は壊れ、船も流されたが、その後、なんとか家も建て、船も手に入れてがんばっている、という話をお聞きしました。船は家以上に高価なものだそうで、農民が持っている強さ以上のものを感じました。
また、皆さんが口々に話したことは、「今、海がおかしくなっている」ということでした。海水温が上がり、高いところでは4度以上も高くなって、以前、三陸にいた魚が北上していると言います。この他にも「毛ガニは以前は12月から取れたはずなのに、今年は2月にやっと取れ始めたが、量は半減」「イカも取れなくなった」「(これまで取れなかった)伊勢エビが取れた」…などなど、地球温暖化の影響なのか、「震災後、2カ月くらい季節がずれていて、生活設計がたたない」と話してくれました。
また、岩手県では小型沿岸漁民にはサケの刺し網漁が許可されておらず、岩手県漁民組合ではいま裁判に訴え、たたかっています。実際、サケが網にかかってしまったために密漁で捕まった漁師の村上優一さんは、「漁師なのに魚を取って捕まるなんて、おがしいべじゃなー」と言います。
漁民組合にも女性部作りたい
私たちはいつも食べている魚介類が、どのようにして私たちの口に届いているのか、何も知りませんでしたが、ていねいに教えてくださいました。このほか、全国漁民連結成に向けた準備や、いずれは漁民組合にも女性部を作りたいという話も出て、今後も交流会をしていくことにしました。
(岩手県農民連女性部 久保田みき子)
(新聞「農民」2017.3.20付)
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