地域の話題
あれこれ
茨城県
村田 深
異常な低賃金浮き彫りに
原子力機構の不当差別是正訴訟
第8回口頭弁論を傍聴して
旧動燃から現在の原子力機構(日本原子力研究開発機構、茨城県東海村)まで、安全性の確保のために発言してきた職員を不当に差別して「見せしめ人事」が続けられてきたことに対して、原告4人が不当差別を是正する訴訟を起こしました。
被告提出の資料使って弁論行う
2月23日に水戸地裁で開かれた第8回口頭弁弁論では、被告の原子力機構から提出された原告と同期同学歴の職員全員の賃金データを弁護団がグラフ化したものをプロジェクターで映して弁論が行われました。原告ら不当差別を受けてきた12人だけが、離れ小島のように、他の職員と比べて異常な低賃金におかれ続けてきたことが浮き彫りになりました。
閉廷後の進行協議では裁判長から、“被告から反論がなければ差別について合理的な推認がはたらかないとも限らない”という趣旨の発言があったそうです。
朝日新聞出版『原子力ムラの陰謀』が、旧動燃の職員に対する工作や差別の事実を明らかにしたことも力になっています。
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原告の4人。左から椎名定さん、小松崎賢治さん、高野真一さん、菅原薫さん(写真提供:日本国民救援会) |
再稼働するなと運動を強めたい
原子力機構といえば、原子力規制委員会が「安全確保上必要な資質がない」と断じたことが高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉につながりました。現在は、大洗町にある高速実験炉「常陽」が「もんじゅ」に代わる核燃料サイクルの柱の地位を受け継ぐかたちになっていますが、この「常陽」も原子力機構が運営しています。
茨城農民連も加盟している「さよなら原発いばらきネットワーク」では、「東海第二原発」も「常陽」も再稼働するなと運動を強めています。
(新聞「農民」2017.3.20付)
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