「農民」記事データベース20170306-1253-05

築地市場の豊洲移転中止!

抜本的検討求める署名始まる

関連/生産者と消費者を守る卸売市場つぶさせない


 土壌・地下水の汚染などが問題で昨年11月の豊洲移転が延期された、東京・築地の中央卸売市場をめぐり、東京都議会は、法的拘束力を持つ「百条委員会」の設置を2月22日に全会一致で議決しました。

 2月18日には、「豊洲移転中止署名をすすめる会」が「食の安全・安心を守れ 築地市場の豊洲移転中止など抜本的検討を求める署名」を作成、築地4丁目交差点で宣伝行動を行いました。

 3人の発起人がマイクを握り、東京中央市場労働組合の中澤誠委員長は安倍政権が卸売市場法の廃止を狙っていることに触れ、「卸売市場制度は国民が平等に生きていくためのものであることを知らせるチャンス。制度自体も守っていこう」と呼びかけました。

 東京農工大学名誉教授の本間慎さんは、「きれいな土地から汚染された土地に移転させるのは前代未聞。これを許しては100年の悔いを残す。一緒にがんばりましょう」と訴えました。

 また日本消費者連盟の事務局長、纐纈(こうけつ)美千世さんは「食べものは体を作り次の世代につながるもの。安心できる市場を残したい」と訴えました。

 築地魚河岸のおかみさんたちをはじめ2500人が参加し、周囲は大きな熱気に包まれました。署名も800人分が集まりました。

 激励デモも開催

 同日には中央区労働組合協議会などの労働組合が主催した築地市場激励デモも行われました。

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築地の場外市場前でアピールするデモ隊

 築地市場周辺をデモ隊列が通ると、近隣の飲食店などから顔を出して「がんばって」と激励をする人も多く、市場関係者の願いがデモ隊に寄せられていました。

 署名用紙は日本消費者連盟のウェブページhttp://nishoren.net/から入手できます。


生産者と消費者を守る
卸売市場つぶさせない

築地市場移転で学習会

 司法に国民の風を吹かせよう実行委員会(風の会)は、築地市場移転問題の学習会「築地市場の豊洲移転大丈夫?」を2月22日、東京・築地市場厚生会館で行いました。会場いっぱいの80人以上が参加しました。

 東京中央市場労働組合の中澤誠委員長が「豊洲市場問題と食の安全」というタイトルで講演。「一番の問題は決定の過程に民主主義がないこと。反対派はもとより推進派の意見すら聞こうとしなかった」と指摘し、「自分たちだけがいい計画ではだめ。後の世代にどんな市場を残すのかが問われている」と訴えました。

 日本環境学会元会長の畑明郎さんは「豊洲新市場の土壌汚染は除去されたのか?」をテーマに講演し、東京都の汚染対策工事のずさんさを明らかにしました。

 フロア発言で農民連の齋藤敏之常任委員は「小規模な生産者や消費者を守る市場を通した流通を壊す狙いが移転計画にはある。市場があるからこそ培われてきた文化を壊させるわけにはいかない」と訴えました。

 最後に日本消費者連盟の元共同代表、山浦康明さんが、「小池知事も秋にはどうなっているかわからない。これからも声をあげていこう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2017.3.6付)
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2017年3月

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