「農民」記事データベース20170227-1252-06

米の栽培技術を高めて
多収穫と有利な販路で
米作りと経営守ろう

新潟県農民連が米作り交流会

関連/安全・安心で品質高い米作りに強い関心


 新潟県農民連は2月6日、米の栽培技術と販路拡大で所得向上を目指していこうと昨年から2回目となる「米作り交流会」を弥彦村で開催しました。

 交流会では3人からの実践報告があり、良品質と多収穫栽培で12俵を収穫する会員の青木勉さんからは「土作りと根作り」を基本とした栽培について報告されました。青木さんは「秋の収穫後から翌年の収穫期までが栽培のサイクルと考えている」と述べ、土壌の団粒構造を良くするため、稲刈り後の腐食剤散布で分解を早めることを説明。荒く代かきをし、根がしっかりと伸びていける土作りをすれば、稲の茎が太く台形型に生育して未熟粒も少なく品質と収穫量が良くなることを報告しました。

 地元の仲間とともに自然栽培に取り組んでいる高橋正さんは「5〜6回行う除草作業の苦労があるものの、無肥料なのでコストや作業も軽減できる。収穫量は6俵弱となったが3万円(60キログラム玄米)で販売できている」と報告し、他地域では10俵を収穫している例もあることから、さらに技術を高めていきたいと話していました。

 県連役員である佐藤恒夫さんは、安全・安心な栽培と多収穫をテーマに報告。「収量構成をきちんと出すことや稲の葉が何枚あるか数えることが重要だ。葉1枚違えば60キロ違う」と述べました。

 45株×茎数20本×有効茎歩合95%×登熟歩合80%×穂粒数95粒×千粒重22グラム=645キログラムと例にあげて「深水は6月14日から2週間行い、一気に落水せず、刈り取りまではほとんど水をかけない。田植え後の水管理次第でその年の収穫量が決まる」と話しました。

 カメムシ防除については、安全面でネオニコチノイド系農薬が問題となっていることから、忌避剤(ニーム)での対策を行っていることもあわせて報告しました。

 3人の報告者に対する質問は後を絶たず、参加者から高い関心が寄せられる交流会でした。

(新潟県農民連 鈴木亮)


安全・安心で品質高い米作りに強い関心

京都農民連・口丹ブロック協議会
稲作農業研修会開く

 農民組合京都府連合会口丹ブロック協議会(東昭会長)は2月7、10の両日、南丹市、京丹波町の2会場で、「第2回稲作農業研修会」を開きました。両会場あわせて48人の参加で、品質の高い稲作りへの関心の高さを感じました。

 南丹農業改良普及センター農業改良普及員の方々から丁寧な講義をいただきました。

 28年産米については、高温障害による乳白、心白、基底部未熟がみられ、品質低下を招いたこと、カメムシ類の発生は冬場の温暖化の影響もあり、増加傾向にあることなどが語られました。

 高温障害対策や雑草対策、薬剤に頼らない除草法なども具体的な事例をあげながらの報告がありました。刈り取り後のすきこみは、雑草対策上も重要であると強調されました。

 病害虫防除についても、カメムシ1〜2匹が100平方メートルにいることによって、1等が2等級になり、等級下落の大きな要因となること、これを防ぐためには近隣のほ場とのいっせい防除が望ましく、ほ場周縁部の防除が特に重要となることが語られました。

 さらに、食味についてはよく知られているように、デンプン内のアミロース含有量が低い米、タンパク質の含有量が低い米がおいしく、食味良好米とされること、そのために、品種の選定と施肥などの栽培方法、刈り取り時期を遅らせないこと、急速な乾燥を避けることなどが大事であると語りました。

 参加者からは「今まであいまいにしか理解できていなかったことがわかった。もっと勉強したい」「事例で出された資料を参考に自分の稲作りをチェックして今年の作付けにのぞみたい」などの感想が寄せられました。

 品質の高い米を育てることは、米の評価を高め消費者の期待に応えることにつながります。また、土に負荷を与えない農業は、農業を持続させていくために百姓ができる大事な努力点です。安心・安全のお米はおいしいお米を作ることにつながるということも、この研修会で学びました。

(京都・口丹ブロック協議会 高屋晧)

(新聞「農民」2017.2.27付)
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2017年2月

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