分析センターだより
北京で「生態系農業および
共同経済のための会議」に参加
調査活動や問題摘発などで
どう貢献してきたかを報告
昨年12月4日、中国・北京で開催された「生態系農業および共同経済のための会議」に、ゲストスピーカーとして参加してきました。この会議は、中国での食糧主権をテーマに活動している人民食品主権フォーラムが主催するものでした。
農民連食品分析センターといえば、中国産食品の残留農薬問題を数多く摘発してきた施設です。私たちの調査活動が、中国産冷凍ほうれん草の輸入をゼロトンにさせたこともありました。そんな理由もあって、無事に入出国させてもらえるか心配していましたが、トラブルなく、役目を果たし帰って来ることができました。
今回の会議は、先進的取り組みを当事者から聞き、運動の実践に生かそうというものでした。120人を超える学生から高齢者まで幅広い世代が参加していました。主催者に、参加者は皆、会員なのかと尋ねたところ、多くはインターネットなどの情報をみて集まったとのこと。中国に食糧主権に関わる農民、消費者運動があるか、国民の関心はどうなのかについて、その実態を体験できました。
私が出席した4日は、日本の取り組みにクローズアップした内容で、関西生協よつ葉会の産直と生協運動、台湾主婦連が日本の生活クラブ生協に学び取り組んできた都市部と農村部をつなぐ取り組みが報告されました。最後が私の報告で、「農民連食品分析センターの取り組み」というテーマでの報告依頼に応える内容で行いました。
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会場の壁面には、世界の強大な多国籍企業が遺伝子組み換えや農薬などを利用して、世界の食料を支配下におさめようとしているのを描いたポスターが貼られていました |
いかに生産者や消費者支えたか
農民連がなぜ分析センターを立ち上げたのか、調査活動や問題摘発が社会や食品衛生にどう貢献し、生産者、消費者を支えたかなど、実例を挙げて報告をしました。また、分析施設の社会的位置づけとして、行政の施設は公衆衛生と政策実行を目的としていることを伝え、「農民、消費者の社会的要求実現を目的とする試験施設はありますか、あってほしいですか?」と問いかけ、私たちのような施設が中国でも生まれてほしいと、結びました。たくさんの質問があり、時間ぎりぎりまで会場で過ごしました。
モンサントやシンジェンタなどの多国籍企業が、支配力を拡大する今日、中国にもその影響は及んでいて、食糧主権をテーマに活動するグループと、その情報に関心をもつ人たちがいること、またそれをどうやって形作るか議論を深め、実践へつなげる模索が行われていることを知ることができた良い機会となりました。
(八田)
(新聞「農民」2017.2.13付)
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