旬の味
また一つ山がなくなった。アスファルトの大きな道が走り、整地され固められた土地が広がった。幼少の頃、深緑、赤、そしてなんとも表現しがたい色の森を指さし、「赤いの何? きれい!!」。手をつないだ祖母の答えを待った日がなつかしい▼寒いなあと思ったら小雪交じりの雨が落ちてきた。今まで山の木々の成長を支えた水はこれからどうするのだろう。木々に支えられた生きものたちは……と次々と広がる思いととともになんだか寂しくなった▼生活、文化の変化といってしまえばそうかもしれない。でも、それだけでは済まされない。数々のことが私の周りで起こっているような気がする。便利さの過剰のなかで大切なものをなくしてはいないだろうか。今一度考えてみたいと思う▼大自然に包まれる心地よさに日々感動している。美しいものに素直に感動すること、そして何よりも人間にやさしい生活について、農業を職業とする私の立場から考える年にしてゆきたいと思う。2017年を迎えての私の決意だ。 (え)
(新聞「農民」2017.1.30付)
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[2017年1月]
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