「農民」記事データベース20170130-1248-08

この人

大阪・能勢で就農16年
今年から奥さんも一緒に
吉村 次郎さん(39)


努力重ねて自分の成長を実感

画像  大阪府の北端、山深い能勢町で新規就農している吉村次郎さん(39)。大卒後に就農して16年目になります。現在はハウス15アール、露地40アールを耕作。ホウレンソウやサニーレタスなど葉物を中心に栽培しています。

 「なんとなく大学に入り、就職をするときになって、自分が何をしたいのかを考えました」と吉村さん。「『食べること』という生命の根本にかかわる仕事がしたい」と農家への道を歩みました。

 実家は兵庫県西宮市にあり「通える範囲で研修地を探して」、能勢町にやってきました。町内の有機野菜農家、原田富生さんの農場で研修し、独立。2015年からは原田さんの紹介で農民連大阪産直センターに出荷するようになりました。

 「経営を軌道に乗せるまでが大変でした。アルバイトしながら耕作をしていましたが、見かねた原田さんが自分のところでアルバイトをさせてくれて助かりました」と話す吉村さん。それでも続けてきたのは「自分で一歩ずつ積み重ねて成長できている実感があったから」と言います。「自分の思ったように作物が育って、収益もあげられた時には大きな達成感が得られました」

 「最近は食に対して安直な方向に流れているように感じている」と危ぐする吉村さん。野菜は「適期に作るのが一番」と語り、農薬もできるだけ使わず、緑肥を活用して土作りを行っています。

 「今年からは奥さんの聡子さんも一緒に農業をするので、もう少し面積を増やしたいですね。能勢には若い農家が増えてきているので、新しい売り先を見つけて、産直センターが大阪の北部にもできるようになってほしい」と話していました。

(新聞「農民」2017.1.30付)
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2017年1月

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