中山間地・新規就農者・被災地の支援
現状に即してもっと拡充を
農民連青年部
今年2回目の農水省交渉
農民連青年部は今年2回目の農水省交渉を行いました。植田修部長(京都府和束町)、平間徹也副部長(宮城県蔵王町)ら6人が参加し、それぞれの思いを農水省に届けました。
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要請書を手渡す植田部長(右) |
交渉では、新規就農者への支援の充実、中山間地支援の拡充、災害復旧、防災の強化などを申し入れました。
「中山間地等担い手収益力支援事業」の申請要件について、農水省は「収益力の向上を進めるために米については10ヘクタールの要件を課した。ブランド化やほかの収益力のある作物への切り替えも検討してほしい」と返答。青年部幹事の相澤堅さん(新潟県十日町市)は、「魚沼地域はすでにブランド化されていて、米以上に収益力のある作物はない」と指摘。また農地を景観として維持することと耕作地を維持することの両立は考えているのか」と問いました。農水省は「特に山間地で厳しい条件があることは認識しており、どのように支援ができるか検討をしている」「農地も耕作する人も両方維持するために、お互いに知恵を出しあっていきたい」と回答しました。重ねて、青年部からは「規模拡大にとらわれることなく、政策を検討してほしい」と要望しました。
また平間さんは新規就農者支援について「グローバル化ではなく自分たちの食料は自分たちで作るという観点から行うべきでは」と提言。また「都会の生活に疲れ農村で就農する人が増えている。支援の拡充を」と言う要望に対し、「5年で地域を支える担い手になって自立してほしい。補助金目当ての趣味でやるような人は対象にしない」と発言。これに対し、渡辺信嗣事務局長は「懸命に努力してうまくいかない場合が多いのに、趣味扱いにするのは問題だ」と指摘。そのうえで「耕作放棄地を借りて始める新規就農者が多い。土作りや販路確保など一人でやらなければいけない。もっと現実に即して、新規就農給付金が給付される5年を過ぎた後の対応も考えてほしい」と訴えました。
また植田部長は「新規就農者の研修で農の雇用事業を活用させてもらっているが、新規就農者の先輩としてもっと新しい人たちを受け入れていきたい。研修先が限定されたりする現状を改善してほしい」と要望しました。
交渉を終えて、相澤さんは「中山間地と山間地でも条件に差があることを農水省が認識していることが分かったことが収穫」と話し、ほかの参加者からも「継続することが大切。今後も続けていこう」と感想が出て、定期的に取り組むことを決めました。
(新聞「農民」2017.1.2付)
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