「農民」記事データベース20161226-1244-17

旬の味


 新米と聞くと豊穣の代表格として、日常の食生活に特に新鮮な息吹を与えてくれる。年末になって、やっとわが家でも新米に切り替わった。白い飯粒は同じだが、炊きたての新米は一粒一粒が踊っているようだ▼香りも艶も申し分ない。うまいの一言にすべてが含まれる。朝のひととき、米農家としてささやかな幸せ感を味わう。瑞穂の国の大地で米を作る喜びを大切にしたい。「やっぱり食べたい日本のお米」と熱いエールを送ってくれる方々との響き合いを一層広げたいものだ▼当地の方言で最も嫌われる言葉に「カマドキャシ」と「タクランケ」がある。前者は浪費や失政で財産をなくすこと。後者はホトトギスがウグイスの巣に卵を生む托卵を指し、無責任の極みを表す▼この間、民意を無視し、国会で暗躍したアベ政権とグループ政党はこの呼び名がピッタリだ。「息を吐くようにウソをつく政治」(金子勝)。新語流行語に追加推薦したい的を射る言葉だろう。新たな闘いが始まった。大地の怒りをさらに広く。

(長)

(新聞「農民」2016.12.26付)
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2016年12月

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