この人
北和センター朝市へ出荷する
小橋智之さん(81)
=奈良市在住=
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鍬1本でおいしい野菜作り
奈良県農民連北和センターの「とれたて朝市」(奈良市)へ白菜、大根など野菜を出荷するようになったのは小橋智之さんが定年後2度目の職を終えてから。「勤めながらも実家の農業はよく手伝いました。田植えの時期なんか、それで休みをとっても誰も文句を言わない。農業の手伝いはあたりまえの時代だったんです」と小橋さん。家隣の半反ほどの畑に、秋冬野菜が見るからにおいしそうに育っています。
畑の隅には鍬(くわ)一本。機械は使わずに、整然として美しい畑をたった鍬一本で作りあげ管理しています。手作り堆肥を使った有機栽培。農薬は使用せず虫取りはご夫婦の手作業で(有機栽培していると虫はあまり寄ってこないそう!)おいしくて安全な野菜作りをしています。
奈良市の辰市農協駐車場で開催されていた朝市が、小橋さんの朝市出荷の出発点でした。様々な事情でなくなってしまいましたが、この経験が「とれたて朝市」への気持ちを強く支えています。
「消費者がどうすれば喜ぶか」「出荷者としてできることは何か」を常に考え野菜を出荷し続ける小橋さん。新鮮さ、適度な品数、多様な種類、奥様の亰(みやこ)さんによる丁寧な袋詰めからもその思いが伝わります。手に取る人のことを思い考えた小橋さんご夫妻の温かさと優しさが詰まった商品が毎週の朝市に並んでいます。
(奈良県農民連北和センター 井上和恵)
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東京・日の出町 折田ナナ |
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長野・飯山市 滝沢喜洋 |
(新聞「農民」2016.12.26付)
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